2014年06月07日

言葉の壁(新しい玩具その後)

携帯電話の言語環境を英語にしている。最初に携帯を持つようになってから、ずっとだ。何故そんな事をしたのか今となっては思い出せないが、どうせ深い意味は無いのだろう。持ち慣れない携帯電話というものが何となく気恥ずかしく、少しばかり粋がってみたのかも知れない。

馴れというものは恐ろしく、あるいは惰性と言うべきか、基本的な用語を英語で覚えてしまったせいで、その後も携帯電話を買い替える度に設定を英語にして使っていた。「設定」とか「一般」とか表示されても直感的に理解出来ず「setting」「general」のほうがしっくり来る。電話帳も、読みをローマ字で記入してあるので、全てアルファベット順に並んでいる。

さて今回のiPhone5s。迷うことなく最初にやったのが言語環境を英語に変える事だった。ちなみに、次にやったのはtextsize→large。はい、ただの老眼です。

今までの携帯で英語にしていて不便を感じた事は一度も無かったが、今回初めて言葉の壁に直面した。世の中の殆どの人にとってははどうでもいい事だろうが、構わず書く。

第一はsiri。今どきのiPhoneにはsiriという音声認識インターフェースを供えたアプリケーションがある。当初はこれも英語にしていた。なかなかの優れもので、私のメチャクチャな英語でも結構通じる。音声発話に関しては膨大なフィードバックが蓄積されているのだろう。「明日の6時に起こしてくれ」と言えば、ちゃんとアラームがセットされる仕組みだ。ところが、英語のsiriは日本語の固有名詞を全くと言って良いほど認識しない。「スズキ」も「コバヤシ」も認識してくれない。入っている電話帳にはローマ字の読みが付いているにもかかわらず、だ。地名も絶望的。「ニシフナバシ」とか「チトセフナバシ」なんて何度言っても全く分かってくれない。どこをどう聞けばそうなるのかというヘンな英語に変換される。しまいには、ここに書くのを憚られるような汚いワードに変換されて「今のは聞かなかった事にします」と叱られる始末。驚くべき事に「トーキョー」も「オーサカ」も通じない。「トーキョー駅までの道案内を頼む」と言っても通じない。「キョート」も「フクオカ」も「サッポロ」も駄目だった。何故か「シンジュク」だけは通じたが、理由が分からない。

仕方ないのでsiriは日本語に戻した。今度は一発だ。「コバヤシさんにメール」と言えば「どの小林さんですか?」と候補が出る。「ニシフナバシからチトセフナバシの乗り換え」と言えば、これも1回で理解してくれる。これは凄いことだと本気で感心する。アクセントはいい加減、語尾は曖昧、語順は適当という日本語をここまで正確に聞き取れるというのは唯事ではない。日本語のsiriは英語版よりかなり遅れて公開されたが、単に後回しにされたというだけではなく、アルゴリズムの構築に相当の時間が掛かったのではないかとも想像する。

思うに、英語のsiriは聞き取り能力の問題という以前に、日本の地理、いや,日本の事全般をそもそも知らないのではなかろうか。試しに英語siriに「McDonald's near me」と言うと、ちゃんと聞き取って(当たり前だ英語なんだから)理解した上で「近くには見つかりませんでした」と言ってくる。知らないのだ奴は。知らないなら知らないと言うべきじゃなかろうか。同じ場所で日本語siriに「近くのマクドナルド」と聞けば「○件見つかりました」とすぐに候補を出してくれる。この場合「Makudonarudo」と日本語(?)で発音しなければ通じないのが面白い。

問題の第二は、地図。iPhoneのマップアプリには音声付きでルート案内してくれるという素敵な機能があって、siriを日本語にしてもiPhone本体が英語設定だと英語での音声案内になる。日本語siriに「どこそこまでの道案内」と頼むとマップアプリが立ち上がって、そこからは英語での案内になるのだが、こいつがまた何とも微妙。日本の道路を大雑把には知っているようだが、細かい路は知らないらしく、ちょっと遠回りな幹線道路メインの道順を示されたりする。裏道で迷っていると平気で案内をサボる。ちなみにディメンションはマップアプリの設定で変えられるので、何マイルと言われる事は無く、画面表示はもちろん音声での案内も「あと何百メートルです」と言ってくれる。

これも想像だが、言語設定が地図にリンクしているのかも知れない。日本語は一つしか用意されていないが、英語の設定には4種類あり、English(U.S)、English(U.K)、English(Canada)、English(Australia)から選べる。これは単に方言を区別しているのではなく、それぞれが該当地域の地図に対応していると考えるのが妥当だろう。日本で緻密な道案内を期待するのなら日本語で設定するのが合理的なように思える。

以上の二点が、目下直面している言葉の壁であった。まあ私の場合、iPhoneをカーナビとして使う機会はそれほどないだろうし、歩いている時は画面の地図を見れば良いのだから、英語のままでも何とかなりそうだ。

posted by 非国民 at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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