2020年07月01日

結局この国は捕鯨をどうしたいのか

日本が商業捕鯨を再開してから1年になる。でもって、やっぱり分からない。結局この国は何がしたかったのか?

現在日本が行っている捕鯨は大まかに言って二種類ある。一つは江戸時代以前から行われてきた沿岸の小型鯨を対象にしたものだ。こちらは地域の食文化として残って欲しいし、今の規模なら何とか道はあるのではないかと思う。日本沿岸の鯨は20世紀半ばまでにほとんど捕り尽くされているので、現状の捕獲枠はさして多くない。需要もそれに見合う程度だと思われる。

問題は二つ目、沖合(といってもEEZ内だが)の船団捕鯨だ。これは、そもそも「商業」捕鯨と呼べるのだろうか。経営的には全く採算が取れず、いずれ取れるという見通しも皆無だ。しかもプレイヤーは調査捕鯨の時代から変わっていない。調査捕鯨をやっていたのと同じ事業者(*1)が、同じ船で、相変わらず補助金漬けの捕鯨を続けている。もちろん新規に参入した事業者は無い。

水産庁はどうするつもりなのか。というか、どうするつもりだったのか。そもそも採算が取れないことは最初から分かりきっていたのだから。

もっと謎なのは、IWCを脱退した動機だ。いま日本がやっている捕鯨は全て、その気になればIWCに加盟したままでも出来たことだ。何のための脱退だったのか、さっぱり分からない。単なる水産庁の役人のメンツか。あるいは調査捕鯨から手を引く国内向けの口実が欲しかったのか。それとも脱退した方が世論のウケがよく政権支持率が上がるとでも思ったか。



*1. 共同船舶株式会社
名前こそ株式会社だが、株式を保有しているのは公益財団法人漁船海難遺児育英会、公益財団法人下関海洋科学アカデミー、一般財団法人全日本海員福祉センター、一般財団法人農林水産奨励 会、一般財団法人日本鯨類研究所。5つとも農水省所管の財団法人であり、実質的には国策企業に近い。

 
posted by 非国民 at 01:04| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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