2020年10月08日

何をもって無駄と判断するか

前々回の記事で、日本学術会議は何の役にも立っていないと書いた。異論に耳を傾ける意思の無い政権のもとでは、必然的にそうなる。

そういう意味では、全く何の役にも立っていない役所がある。内閣法制局だ。

以前は政府のやることに対して法律面から意見する「法の番人」ということになっていた。それが可能だったのは人事が独立していたからだ。2013年以降そうではなくなった。首相の気に入った人だけが長官になる。

今では、何のためにあるか全く分からない役所だ。年間12億の予算は税金の無駄遣いでしかない。

無駄だから無くしてしまえと言いたい訳ではない。政府は万能ではないのだから間違えることは必ずある。間違えた時に誰かが「間違っている」と指摘する仕組みは必要なのだ。番人を飼い馴らした結果が「首相の一存は法律より上位にある」という無残な現状だ。

内閣法制局があることが無駄なのではない。法治国家であるためには本来必要なのだ。有効に機能していないことで税金が無駄に消える結果になっている。

学術会議も同じだ。政権に対して意見することが役割なのだから、その独立性を担保することが国民の利益(あまり好きな言葉ではないが国益と言ってもいい)になる。税金は国益のために使われるべきだ。
 
posted by 非国民 at 13:44| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月06日

明示的に忖度を要求するという理不尽

菅政権は、学術会議の新会員に推薦されたうちの6人を拒否った理由を明らかにしない。どうあっても明かすつもりはないようだ。

まあ理由は大体想像がつく。しかし、想像がつくからそれで良いという問題ではない。

学術会議の定員は法律で決まっている。今のところ学術会議側は拒否られた6人の任命を求めているが(当然だ)、問題が長引いた場合、ことによれば新たに別の人を推薦しなければならない、という事態も考えられる。さてそうなった時、学術会議は何を基準にして推薦メンバーを決めれば良いのか。拒否られた理由は推薦した学術会議側にも明かされていないのだ。

そこは忖度しろよ分かるだろ、ということだろうが、いくらなんでもセコくないか。

「先の6人はこれこれの理由で任命しなかった。今後はしかじかの条件を満たす者の中から推薦せよ」と言うのなら、まだ分かる(それにしたって法律の改正が必要なはずだが)。それも言わずに、当然忖度するべきだという姿勢が浅ましい。

役人と違って学者がそう簡単に忖度するとも思えない。しかし、菅政権の理屈が通るなら、菅さんは自分の気に入った人が推薦されて来るまで何度でも拒否ることが可能なのだ。そのプロセス自体が無駄ではないか。もはや「推薦」の意味すら不明である。だったら最初から全てのメンバーを菅さんが選べば良い。そんな組織が何の役に立つか皆目分からないが。

つくづく権力の使い方がセコい。そこまでして忖度させたいのか。
 
posted by 非国民 at 09:21| Comment(2) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月04日

繰り返す権力の酩酊

銃は持っていれば使いたくなると言ったのは、左文字組の沢村だったか。まあ権力も同じようなものなんだろう。残念ながら菅さんは己の権力に酔ったとしか見えない。

早晩何かやらかすだろうとは思っていたが、学術会議に手を出すとは予想しなかった。色々と思うところがあるが、三つほど書いておこう。

第一に、法律論から言えば明らかに政権側の筋が悪い。

拒否られた松宮孝明さんがコメントしているように、「学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する」という日本学術会議法の条文は「天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する」という憲法の条文と同じ構文となっている。どちらの場合も「任命」は形式的なものだと解するのが妥当だろう。天皇と首相では立場が違うのだから「任命」の意味するところも違うのだという意見もあるが、違うのなら違う書き方をする筈だというのが法律のベーシックな読み方だ。日本学術会議法には「独立して職務を行う」とも書かれている。この場合の「独立」は「首相から独立して」と読む以外にない。

ただし法律論に関しては、首相の一存でどうにでもなるという慣例が確立している感があって、現政権は全く気にしていないようだ。安倍政権の成果ですね。

さりながら、形式的ではなく実質的な任命権が首相にあるのだと解すれば、拒否られなかった99人に関しては必然的に首相の任命責任が生じる。そして、この点に関しても政権側は気にしていない可能性が高い。

首相の責任については、ただ一言「責任は私にある」と言いさえすれば、その問題はそれで終わり、という慣例が定着してしまった。これも安倍政権の成果ですね。首相無答責の原理です。

第二に学術会議そのものが無益な存在だという指摘がある。

一理あるが、今になって急にこれを言い出すというのは、どう考えても政権擁護のために言ってるわけで、些かみっともない風ではある。もっとはっきり言えば幼稚な論点のすり替えだ。

学術会議という組織が何か役に立っているかといえば、全く役に立っていない。将来の政権が賢く使うという可能性はあるが、現状では無益だ。だからといって首相の気に入ったメンバーだけで構成すれば役に立つのか? 勿論そんな筈はない。無益どころか明らかに有害だ。そうでなくとも、首相お気に入りのメンバーだけで構成するなら、既に星の数ほどの諮問委員会やら有識者会議やらがある。

第三に、今回の介入の目的が分からない。嫌味ではなく、本当に謎だ。

学術会議側は学問の自由の侵害だと主張しているが、それはまあ立場上そう言うでしょうねというだけで、実際問題として、それほどの組織ではない。6人を拒否ったところで、会議全体が政権側に寄るとも思えない。だからこそ目的が謎なのだ。

この介入に効果があるとすれば、それは現実的なものではなく、あくまで「政権の威光を天下に知らしめた」ということでしかない。それで十分じゃないかという考え方も、勿論あり得る。目的のために権力を行使するのではなく、権力を行使すること自体が目的だったとすれば、それはそれで実に菅さんらしい。
posted by 非国民 at 04:26| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月25日

寝言にも程がある

私の住んでいる国には、大臣が公の場で寝言を言う伝統がある。あまり美しくない伝統だが、まあそういうものだと思って住んでいる。にしても、ものには程度というものがあり、今回の寝言はいささか幼稚に過ぎる。

茂木外相いわく、日本は国連安保理の常任理事国入りを目指し、もって「平和で安定した国際社会の実現に貢献していく」とかなんとか。

寝言にも程がある。どれだけ妄想をこじらせれば、そういう発想になるのか。

第一に常任理事国入りはどう考えてもあり得ない。第二に、そこを百歩譲ったとしても、残念ながらそれが「平和な国際社会の実現」に寄与するところはゼロである。アメリカが2票持つのと一緒だからだ。
 
posted by 非国民 at 00:40| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月16日

アラブの王様の胸算用

UAE(アラブ首長国連邦)に続いてバーレーンもイスラエルと国交を持つとの報。いずれサウジも続くのでは、とも言われる。まあ、どんなに仲が悪い国でも、国交が無いよりは有ったほうが良いじゃないかと私は思う。ただし「いよいよイラン包囲網」みたいな見立ては、ちょっとどうかと思う。

UAEにバーレーン、サウジと、それぞれに思惑も立場もあるだろうが、共通しているのは民主制とは程遠いということだ。

サウジアラビアは「サウド家のアラビア」という国名が如実に示す通りの絶対王政で、議会は無く、勅令がすなわち法律だ。

UAEは首長国連邦という少々ややこしい形だが、分かりやすく例えれば、要するに幕藩体制だ。アブダビが徳川家で他が諸藩。アブダビの首長が連邦大統領を兼任し、もちろん民選議会は無い。

バーレーンは立憲君主制ということに一応なっているが、主要な閣僚は王族が占め、野党は非合法だ。民主制とは言い難い。

そもそもGCC諸国がイランを忌み嫌うのは、イランが<革命>によって王政を倒した国だからだ。<革命>を輸出されては迷惑だというだけの話であって、宗派は関係ない。

結局これらGCC諸国の「国益」とは、いかにして民主化を回避し王政を維持するか、に尽きる。イスラエルに寄るも寄らぬも、それが「国体護持」に益するかどうかの損得勘定でしかない。

サウジが「イスラムの守護者」という看板にこだわり続けるのは、その看板こそが「メッカの支配者」としてのサウド家統治を正当性するからに他ならない。一方で、そこまでの「神話」を持たないUAEやバーレーンは、国内の民主化運動を抑え込むのにイスラエルの諜報技術が欲しいのだろう。

いずれにしても、何かしら共通の理念があっての動きではない。

そして、書いていて自民党の総裁選挙も全く同じだと気付いた。あれも結局は自民党支配を維持するための損得勘定でしかなく、この国をどうするかという話とは何の関係も持たないのであった。
 
posted by 非国民 at 16:05| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月31日

デモの支持率

「あなたは、ジョージ・フロイドの死をきっかけに全国で起きている現在の抗議運動に賛同しますか?、それとも反対しますか?」という世論調査をギャラップがやっていた。
Two in Three Americans Support Racial Justice Protests
 
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posted by 非国民 at 03:13| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月20日

沖ノ鳥島は岩

残念ながら、どう見ても岩だ。さて、どうするか?
 
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posted by 非国民 at 22:37| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月01日

結局この国は捕鯨をどうしたいのか

日本が商業捕鯨を再開してから1年になる。でもって、やっぱり分からない。結局この国は何がしたかったのか?

現在日本が行っている捕鯨は大まかに言って二種類ある。一つは江戸時代以前から行われてきた沿岸の小型鯨を対象にしたものだ。こちらは地域の食文化として残って欲しいし、今の規模なら何とか道はあるのではないかと思う。日本沿岸の鯨は20世紀半ばまでにほとんど捕り尽くされているので、現状の捕獲枠はさして多くない。需要もそれに見合う程度だと思われる。

問題は二つ目、沖合(といってもEEZ内だが)の船団捕鯨だ。これは、そもそも「商業」捕鯨と呼べるのだろうか。経営的には全く採算が取れず、いずれ取れるという見通しも皆無だ。しかもプレイヤーは調査捕鯨の時代から変わっていない。調査捕鯨をやっていたのと同じ事業者(*1)が、同じ船で、相変わらず補助金漬けの捕鯨を続けている。もちろん新規に参入した事業者は無い。

水産庁はどうするつもりなのか。というか、どうするつもりだったのか。そもそも採算が取れないことは最初から分かりきっていたのだから。

もっと謎なのは、IWCを脱退した動機だ。いま日本がやっている捕鯨は全て、その気になればIWCに加盟したままでも出来たことだ。何のための脱退だったのか、さっぱり分からない。単なる水産庁の役人のメンツか。あるいは調査捕鯨から手を引く国内向けの口実が欲しかったのか。それとも脱退した方が世論のウケがよく政権支持率が上がるとでも思ったか。



*1. 共同船舶株式会社
名前こそ株式会社だが、株式を保有しているのは公益財団法人漁船海難遺児育英会、公益財団法人下関海洋科学アカデミー、一般財団法人全日本海員福祉センター、一般財団法人農林水産奨励 会、一般財団法人日本鯨類研究所。5つとも農水省所管の財団法人であり、実質的には国策企業に近い。

 
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2020年06月27日

モヤモヤするぞ

時折眺める「現代ビジネス」で目に入ったこの記事。正直、どう受け取っていいのかよく分からない。

なぜ日本は新型コロナ危機で「自粛」に頼るしかなかったのか

書いているのは藤原崇という自民党の衆議院議員。比例代表東北ブロック選出。

ざっくり要約すると「日本のコロナ対策が「お願い」ベースに終始しているのは、何かにつけ「行政指導」で済ませようとしてきた法体系のあり方が原因だ。改正された新型インフル特措法でも、出来ることは要請だけだ。強制力があったほうが良いかどうかは議論が分かれるところだが、もし強制力を持たせたいと思うのなら、ちゃんとした法律を作るべき」という内容だ。そんなに変なことを言ってるわけじゃない。

変なことを言ってるわけじゃないのに違和感がある。

言っているのが現職の与党議員だということに強烈な違和感がある。

何だろうこのしっくりこないモヤモヤした感じは。言うまでもなく今回の新型インフル特措法改正には自民党も賛成した。自分たちが成立させた法律に対して、何というか、もう少しぐらい「これで良いのだ」とか「これじゃダメだ」とか「ここはこうすべきだった」とか、そういうのは無いのだろうか。
 

posted by 非国民 at 22:43| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月01日

さても10万円

「特別定額給付金申請書」が市役所から送られてきた。なるほど、これが例のアレか。

オンラインより郵送のほうが早いという卒倒しそうな非効率が巷で指摘されているが、それはそれとして、この給付金の目的がそもそもよく分からない。今更何言ってんだという話もあるが、今でも分からないという事実は結構深刻じゃないかと思う。目的がはっきりしなければ、その効果を検証することが出来ず、手段として妥当だったかを判断することも不可能だからだ。

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posted by 非国民 at 20:39| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする