
ブルガリア音楽に取り憑かれた北欧野郎どもの果てしなき暴走。
Stian Carstensen(カシュテンセンと読むらしい)なるアコーディオン弾きを中心にしたノルウェーのバンドである。
どうした訳か、彼らはブルガリア音楽に取り憑かれてしまったらしいのだ。
本業(?)はジャズバンドであるらしく、このアルバムもMOLDE Internasjonale Jazzfestival(1994) でのライブを収録したものだ。
とにかく、どこを斬ってもブルガリアの血が流れているのである。
私はこのアルバムを都内のとあるCD屋で買ったのだが、あろうことかそれは「北欧トラッド」のコーナーに置かれていたのである。冗談じゃない、これはバルカントラッドだ。しかも極上の。
それにしても、混迷を極める変拍子の渦を変幻自在に戯れつつ暴走する彼らのテクニックは相当なものだ。しかも、驚くべき諧謔精神に満ちている。
「馬鹿テク」という言葉は、彼らのためにあるのではなかろうか。
並外れたテクニックを持ちつつも、そのテクニックを「そんな下らないことに浪費してからに・・・」と呆れさせるバンドなのだ。
北欧野郎どもは、とかく暴走する傾向があるが、ここまでやるかなあ。。。。
圧巻は“Take Five-Take 11”と題されたラストの一曲。かのスタンダード、Take Fiveをひとくさり聴かせたかと思うと、演奏は突如としてバルカン流の超高速11拍子へと突入するのである。もちろん、原曲のメロディラインをしっかりと残しつつの曲芸的暴走である。あれよあれよという間に、そこにはポリフォニックなブルガリアン・ヴォーカルが被さって・・・
初めて聴いた時、驚きを通り越して私は笑い出してしまった。
オフィシャルサイトで結構試聴出来ます。
どこまでが本気でどこからが洒落かなんて、考えてはいけません。
スウェーデンのバンドだが、これも変拍子馬鹿テクもの。
http://www.aaaa.co.jp/item/00000099065.html
伝統とか古い文化とかをぶっ壊して先に進みながら、心根のどっかでキープしてる感じがすごくカッコイイ。
年末だからか(?)HPの試聴がうまくいかなくて残念。黒木さんご紹介のサムラママスマンナは私も好きですよ。
スウェーデンだとヴェーセンのベスト盤をちょっと前によく聴いてました。
寒いというだけでは説明し切れない何かが、そこにはある様に思えてなりません。