昨日の記事で私は「東欧の人たちは云々」と書いた。ところが、どうやら最近ではチェコ、ハンガリー、ポーランド辺りのことを中欧と呼ぶらしいのだ。
驚いた。
私が学校教育を受けた頃には「東欧」だったんだけどなあ。。。
勉強になったと言うか何と言うか、これも「歳がバレル」っていうネタの一つなんだろうか。
漠然とではあるが、カトリック圏を中欧(*1)、正教会圏を東欧と呼ぶらしい。
で、例えばルーマニアは正教会圏だから東欧になるんだけど、なんだか、しっくり来ないなあ。
私の中では、チェコやハンガリーとルーマニアって、結構近いイメージがあったのだ。急に違うといわれてもなあ。でもまあ、たしかにルーマニアはどちらかと言えばバルカンに近いか。
いや、行ったことは無いんで、音楽や文学から類推するだけなんだけど。
*1 チェコ語通訳T氏に教えてもらったのだが、今のチェコではカトリック教会の影響力は皆無で、カトリック圏とは言い難いそうだ。スロヴァキアでカトリックが完全に復権しているのとは大違い。2013.10.28追記
2006年12月28日
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日本人論 ただしオチャラ系 「日本にない人間類型」
Excerpt: フランス語に「タタミゼ」という動詞があるそうな。(語尾がer の規則動詞だね、きっと) 意味は、日本文化に親しんで日本人らしくなること、のようです。 雨が降ってきたな、というときフランス人は手の甲を上..
Weblog: みんななかよく
Tracked: 2007-01-29 10:41
http://shinshomap.info/book/4140015942.html
検索したら、日本友愛青年協会なんてサイトも見つけました。
http://www.yuaiyouth.or.jp/kaler6.htm
中公新書は同じ著者の「中欧の崩壊 ウィーンとベルリン」 だった。
スラブ系を東欧、ドイツ語圏を中心にはハプスブルグ帝国の版図とドイツとを中欧というと、「中欧」ってきなくさい概念だと思うヨーロッパの人もいるでしょうねえ。
自然地誌にひきつけて、ライン流域は西欧、バルカン以外のライン流域を中欧と呼ぶのもありそう。
「中欧」概念は、ヨーロッパとロシアの関係、ドイツの位置づけ、が関わるどうしても政治の陰影を帯びた言葉になると思いますです。
実はフランスでも「歳がバレル」ネタなのかも知れませんよ。
それはともかく、実情はどうやら、旧ワルシャワ条約機構の面々が「ロシア圏」と目されることを快く思わないために「中欧」と自称したのが端緒らしいです。
あるいはまた、ウクライナやベラルーシみたいな「辺境」と一緒にされるのは我慢ならんという感情もあるようです。ただし、フランス人から見ればどっちも同じくらいに「辺境」だと。
kuronekoさん
そうですね、多分に政治的な臭いの付きまとう概念です。
ウクライナにしたって、(大体あそこはヨーロッパなのかという暴論もありますが)東ウクライナはともかく、西ウクライナは第二次大戦後までロシアの支配下に入ったことは無いわけで、歴史的にも文化的にもポーランドやハプスブルグ圏の影響が大きかった地域です。
カトリック圏と正教会圏で分けると言ったって、じゃあ、クロアチアは中欧でセルビアは東欧なのかって話になってくる訳で、正直それもどうなのかと思います。きな臭いったらありゃしない。
単純に「エルベ川以東=東欧」じゃダメなのかなあ。それじゃただの田舎蔑視か。
すいません。「バルカン以外のドナウ」でしたね。
エルベ川流域てのも中欧かな。
しかし、翻って「西欧」という概念も東西冷戦対立でなく、文明論でいくとどうなのかなあ。
西欧文明でキリスト教やグレコローマンの文化まで包摂させちゃうと、ギリシャ文明の正嫡のローマの跡取りの「西欧」ってことになるのは、近代からの後付の遺産横領みたい。
アジアという観念も実際には実体なくて、ヨーロッパできの地理概念じゃないかと思うけど(だって、中国とインドとどっちも自分達を包摂した世界概念があったとしたら、そのまま「世界」だったんじゃない?)、ヨーロッパの中の区分けってのも、なんか概念のアーケオロジーしないといけないのではないかと思う。
トルコのEU加盟問題でヨーロッパ自身でも議論になっているかな。
扱っている国は、ブルガリア、ポーランド、ルーマニア、チェコ、スロヴェニア、ハンガリーです。
標題こそ気を使って「中」という表現がありますが、文中では「東欧」としか書いていません。
フランス人にとっては、未だに東欧という意識のようです。
私は「東アジア」って、どこからどこまでを言うのか、けっこう悩むときがあります。
黒木さん
やっぱりあれですかねえ、自分たちがヨーロッパの中心なんですかねえ。
当然と言えば当然の認識だけど。