
ヒップホップ・フラメンコである。
そんな変なものがあってたまるかと怒られそうだが、本人たちがそう言っているのだから、黙って聴いて頂きたい。2002年作品。
Ojos de Brujo。オホス・デ・ブルッホと読む。「魔法使いの眼」という不可解な名を持つこのバンド、バルセロナのグループだ。
フラメンコと言えばスペイン南部のアンダルシアが本場だと言われるが、一方で北東部カタルニアの港町バルセロナも現代フラメンコシーンにおいて重要な地位を占める。バルセロナのフラメンコは、キューバから「逆輸入」されたルンバ(サルサ)のリズムを取り入れた比較的新しいもので、自由度も高い。
そんなバルセロナのフラメンコシーンの中でも際立って弾けているのが、このOjos de Brujoである。
フラメンコとヒップホップが融合するとどうなるのか。
こうなるのだ。
本アルバム収録曲のTiempo de soleáである。
紛れもないフラメンコの響きでありながらも、まったく新しい世界がそこには広がっている。
難しいことは考えずに、ただこの美しい楽曲を楽しみたい。
ヒップホップ色を持ちながらも、尖った印象を受けないのはヴォーカルの妙によるのだろうか。
こちらも本アルバム収録のLey de la gravedad。
と思っていたのだが、HPで歌詞を確認してみたらスペイン語(カスティジャーノ)だった。
何なんだろう、この不思議な響きは。
ラテン、アラブ、ヒターノ(ロマ)・・・イベリア半島は数多くの文化が往来した。フラメンコも、そんな多くの文化が交雑しつつ成立した文化であり、多くの要素を持つ。
そんなフラメンコ界にあって「フラメンコの本質はダンスミュージックだ!」と割り切った彼らのパフォーマンスは、実に分かりやすく、画期的でもある。
実際に地元での人気も高い。
彼らのライブは、タブラオでもホールでもなく、ライブハウスやクラブのような場所で行われ、そこでは数千人の客が踊り狂うと伝え聞く。
こちらでは、そのイキフンの一端を観ることが出来る。
Ventilador R-80(Live)
まさしくダンスミュージックとしてのフラメンコが現代の空気を吸って躍動しているのだ。
フラメンコが本来持つ情熱的なコードとメロディ。ヒップホップに媚びるんじゃなく、あくまで自分の音楽に他ジャンルの要素を
取り入れてる感じは良いですねえ。それに比べて相変わらず我が国では、サルサもサンバもフラメンコも全部「ラテン」ですし。
>あまりにメロディアスでラップに聴こえません。(笑)
そうなんですよね(笑)。その点で、ヒップホップ・フラメンコというのは実は私もどうかと思うのですが、本人たちがそう言う以上、諦めて納得して頂きたいのです。
ヒップホップはやはり格好良いですね。
そういうもんですかねえ。。。と思いつつ、いま彼らのHPで歌詞を確認したら、スペイン語(カスティジャーノ)でした。あらら。
ちなみに私、ガチガチのヒップホップは相変わらず苦手です。基本的に歌詞を聞いていないので、メロディが無いと、どれも一緒に思えてしまうんですね。
Ventilador R-80 。生ギターに打楽器隊にスクラッチという編成は面白いですね。
>ヒップホップ・フラメンコというのは実は私もどうかと思うのですが、本人たちがそう言う以上、諦めて納得して頂きたいのです。
私もこれがヒップ・ホップなのかどうかよくわからないのですが、どうもヒップ・ホップというやつの範囲は相当広いようで、まあ要するに何でもありなんでしょう。
でも個人的には、フラメンコ・ヌーベルバーグとでも呼びたい感じです。
あのスクラッチがまた本当にイカしてるんですよね。
ターンテーブルがちゃんと「楽器」になっている希有なバンドだと思います。
お久しぶりです。Ojos de Brujoで検索しましたらこのページに辿り着きました。このユニット、まだ十分聴きこんではいないのですが、とても面白いですよね。それにしても非国民さんの視野の広さには改めて感服しました。また伺わせていただきます。
何を仰るそちらこそ。