東京国際芸術祭の招聘で来日したファミリア・プロダクションの舞台『ジュヌン(狂気)』を観てきました。現代アラブ界でも屈指の演劇先進国チュニジアの劇団です。
http://tif.anj.or.jp/program/faml.php
これがまた凄い作品でした。
上演時間は2時間15分ぐらいでしょうか。観ている途中、「ちょっと長いな」とは感じていましたが、終わってからちょっとどころではなく長かったのだと気付いて驚きました。つまりは、そのくらい没入して魅入っていたのです。
問いかけられているテーマは深く重たいものですが、それ以前に、演劇作品として、極めて水準の高い良質なものだと断言します。観ていて「ものすごく面白かった」というのが正直な感想なのです。
演出の完成度も高く、俳優たちの力量も素晴らしいものでした。
ヨーロッパのパフォーミング・アート・シーンが、その中心を演劇からダンスに移してから、既に10年以上が経つ。日本においても、今や同様の傾向は明らかだ。
そのような中で、演劇というジャンルの持ち得る可能性は、アラブ世界でこそ正しく発見されているのではないか。
先日観たアルカサバ・シアター(パレスチナ)といい、昨年来日したスレイマン・アルバッサーム・シアターカンパニー(クウェート)といい、そのように思わせるほどの力を持った作品を創り上げていました。
こういうのを観てしまうと、ついつい言いたくなるのである。
「みんな、テレビなんて観てる暇があったら、劇場に足を運ぼう」と。
3/20までやってます。東京近郊の方は、是非とも。これはお薦めです。
2005年03月18日
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