2005年03月04日

Astor Piazzolla【Tango: Zero Hour】

Tango_Zero_Hour.jpg
墓場まで持って行きたい一枚。なんてことを仏教徒たる私が考えていてはイカンのだが、まあ、そのぐらい好きなアルバムなのだ。ギターにジミヘンが、ペットにマイルスがいるように、バンドネオンにもアストル・ピアソラという神がいる。これは、そのピアソラの五重奏団による最高傑作である。1986年作品。Astor Piazzolla y su Quinteto Tango Nuevo【Tango: Hora Zero】。

私が初めてピアソラの音楽に触れたのは『タンゴ〜ガルデルの亡命』というアルゼンチン/フランス合作の映画だった。
あまりの衝撃に、さっそく買ったのが、このアルバム。
私が最初に買ったタンゴのLPであり、以後世界の未知なる音楽を求めて彷徨い歩くことになった入口でもある。

以来、何度聴いたことだろう。
20年近く聴き続けているわけだが、今でも、その至高の美しさには、心が震える。
今回は、内容については何も語らない。あまりに美しすぎて、私の語彙では語れないのだ。

タンゴが無くたって、生きてはいける。だが、タンゴを知らずに30代後半まで生き続けてしまった自分を想像すると、慄然とせずにはいられない。

現在では、手許にあるピアソラのCDは30枚を超えるだろう。その中から、どれか一枚と聞かれたら、私は迷うこと無くこの「Tango: Zero Hour」を挙げる。

実はここで全曲聴けてしまったりもするのだが、
http://www.piazzolla.org/sounds/own.html
是非ともアルバムを買って、じっくりと聴いて欲しい一枚です。

今日は、ここ関東地方も雪景色。
しみじみとピアソラを聴くには、良い日です。
posted by 非国民 at 11:43| Comment(10) | TrackBack(1) | 音楽;中南米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ピアソラですか。さっすがぁ!
いいですね。でも、このアルバムは聴いたことないです、、、
日本にも、名前忘れたけど、すごいバンドネオンの人いますよね。

タンゴ〜 都会の隅で 空を見上げた〜
タンゴ タンゴ(じゃがたら)

雪景色にタンゴはあいますねぇ〜。
Posted by ゲスト at 2005年03月04日 19:13
私の書くことには、随分いい加減なことも多いですが、これはホント。
Posted by 非国民 at 2005年03月04日 20:15
非国民さん、こんばんは!
コメントありがとうございました!
タンガータの音源は、
「Tristeza de un double A」のアルバムに入っているのが良いのですか。
分かりました。聴いてみますね!

ピエール・バルーにレスが来るとは思いませんでした。
埋もれたいい音が日の目をみるきっかけに慣れたら非常に嬉しいです。
現在安価に購入できるものばかりを紹介しているので、
よろしかったらまたいらしてください!
こちらも伺います!(管理人)
Posted by ゲスト at 2005年04月19日 00:28
>Fei Guomin さん、こんばんは。
この場所にコメントするのはどうかと思いましたが、
どこにコメントしたらいいのか分からなかったので、
こちらに書かせていただきます。

「Fanfare Ciocarlia」へのコメントありがとうございました。
ご指摘の通り確かにルーマニア出身でした。
勘違いをしていたようです。早速訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございますした。

本日、胡弓のレビューを載せたのですが、
「胡弓」と「二胡」に関して日本では誤解があるようで、
もしかしたら、胡弓ではなく二胡の間違いではないかと思うに至りました。
もしお時間に差しさわりがないようでしたら、
また、ご存知ならお教えいただけないでしょうか。
今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by ゲスト at 2005年04月24日 22:08
日本語では、東アジアのリュート属系擦弦楽器全般を漠然と「胡弓」と呼ぶ場合もありますから、一概に間違いとは言い切れないのですが、一方で「胡弓」という日本に独自の楽器が存在しますから、無用な誤解を招く原因になっています。
専門用語としては、二胡と胡弓は全く別の楽器です。
件のアルバムの場合は二胡(Erhu)と呼ぶべきなのでしょうが、楊興新さんのホームページを見ると、当人は二胡以外にも、三弦や四弦の似たような楽器を弾いています。
中国語では、二胡を含む同じような仲間の楽器を総称して胡琴(Huqin)と呼んでいます。ちなみに、胡弓という中国語は無いようです。
したがって、楊興新さんを紹介するにあたっては、二胡(Erhu)奏者、あるいは胡琴(Huqin)奏者と書くのが正確なところでしょう。
Posted by 非国民 at 2005年04月25日 02:44
ポルトガルギターという楽器があります。ファドの伴奏によく使われる琵琶のような洋梨型の12弦楽器です。
ポルトガル語で普通にギターラ(Guitarra)と言えば、このポルトガルギターのことです。
私たちが英語や日本語でギターと呼んでいるヒョウタン型の6弦楽器は、ポルトガル語ではヴィオラォンとかヴィオラと言われています。
ブラジルのCDでも、注意して見ると、そのような表記を目にしますよ。
Posted by 非国民 at 2005年04月25日 02:56
どうもありがとうございました。
二胡でよろしいのですね。ありがとうございます。

ギターラとヴィオロンの違いは聞いたことがありました。
ポルトガル語もその点では間違いやすい言葉なのかもしれませんね。
Posted by ゲスト at 2005年04月25日 03:13
上記のような誤解によって、二胡を弾きたい人が胡弓の教本を買ってしまったり、胡弓の演奏を聴きたい人が「胡弓演奏会」に出かけたら実際は二胡の演奏会だった、などのトラブルが実際に発生しているようです。
慣用的に間違いではないにしても、やはり、二胡あるいは胡琴を「胡弓」と呼ぶのは止めた方が良いでしょうね。

実を言うと、私自身も胡弓の実物を見た事がありません。
諸関係者には失礼ながら、それほどにマイナーな楽器であり、だからこそ、このような誤解も通用しているのでしょう。
写真を見ると、胡弓は三味線によく似た形ですね。三味線よりは一回り小さいようです。これを縦に構えて弓で弾きます。
Posted by 非国民 at 2005年04月26日 02:36
その節はご丁寧に教えていただきありがとうございました。
また、今回はフラメンコ・フェスティバルの情報まで頂き感謝の念に耐えません。
時間を作って足を運んでみたいと思います。
Posted by ゲスト at 2005年05月12日 01:40
>非国民さん、こんばんは。

いつもながら情報の速さは感服するばかりです。
ジプシーキングの情報ありがとうございました。
是非聴いてみたいと思います。(管理人)
Posted by ゲスト at 2005年05月13日 00:59
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Tracked: 2005-04-18 22:26