2005年02月04日

これは見逃せない、東京国際芸術祭

名実ともにパレスチナを代表する劇団、アルカサバ・シアターが、今年も東京国際芸術祭に参加します。
http://tif.anj.or.jp/program/alka.php
「占領下の物語」第2弾にして世界初演である今回の作品は『壁』。
人間の解放と共存のために闘うアーティストは「知能とギャグ」で、この難問に挑む。

私は、昨年の東京公演「アライブ・フロム・パレスチナ〜占領下の物語」も観ています。

衝撃的に素晴らしい作品でした。
“国際ニュースのヘッドラインになるのではなく、それとは違う何ものかになろうとする”パレスチナ人の強い意志と願望が、びしびしと伝わってきました。
ごくシンプルに構成された装置、照明、音楽はどれも美しく、俳優陣の高い力量に支えられて、淡々と語られるパレスチナの非日常的な日常が際立っていました。劇中での政治的な言説を排除して、ただただ人間と生活とを描くとことで、より明晰なメッセージを内包し得ていました。
正直いって、演劇というジャンルの持つ可能性を、改めて認識させられた作品です。

2002年のラマラ侵攻時、アルカサバ・シアターも、イスラエル軍のミサイルによって劇場の一部を破壊されています。すぐさま復旧し、現在まで精力的な活動を続ける彼らのスローガンは「武力ではなく芸術の力によるインティファーダ」です。

今回はどんな舞台を見せてくれるのか、かなり期待しています。
そして、一人でも多くの人が劇場に足を運ぶことで、世界とパレスチナは芸術によって繋がると信じます。
少なくとも、このような形でパレスチナ人の<肉声>に接することが出来るのは、貴重な体験だと思います。
posted by 非国民 at 00:24| Comment(0) | TrackBack(2) | 舞台・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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