2004年11月13日

Rasha【Let Me Be】

rasha.jpg
今回は試聴出来るアルバムを紹介します。
スーダン出身、現在はスーダンとスペインを行き来しつつ音楽活動を続けている女性シンガー、Rashaの(おそらく)最新作。2000年作品。
 
この作品もスペインのレーベルから発表されています。2000年の作品。
とりあえず、ここで全曲試聴できます(サワリだけですが)。


スーダン民謡のベースであるペンタトニックスケールを中心としたメロディに、R&B、レゲエ、ファンクなどの味付けを施したサウンドが印象的です。

そして、実は歌詞が凄い。現代のスーダンが抱える深刻な諸問題にストレートに関わる、重い主題が歌われています。
彼女はここではアラビア語の他にスペイン語と英語でも歌っています。全曲に英語の訳詞が掲載されています。
特に私の好きな一曲「Ash'ab」を紹介します(実際にはアラビア語で歌われています)。

Young Man(Ash'ab) /lyrics by Rasha Shekeldein

For you, I sing with fury and pain
They took you way
and your only crimes is your youth
You are a young man with infinite dreams
They said you loved your cousin Bodour
But, they delivered you to a heavenly virgin maiden

Oh, the light of my eyes,
Where did they take you?
You haven't done anything wrong

For you, I sing my hatred of what happened
My song is a present to you
They deprived you of your youth

Bodourという名の娘と婚約しながらジハードに召集された若者への歌です。(ジハードで死んだ者には“hevenly virgin maiden”との結婚が約束されていると言われているのです。)

なんともへヴィな内容ですが、サハラの風を感じさせる乾いたサウンドと、抑制の効いた彼女の歌声によって、より一層心に残る一曲になっています。

厳しい現状の中で、出口を模索する若い世代のメッセージが世界に向けて発信されています。もちろん音楽的にも高い完成度です。
日本盤も出ていますので、比較的容易に入手出来るはずです。一人でも多くの人に聴いて欲しい一枚です。
ジャケット写真も秀逸ですね。
posted by 非国民 at 01:57| Comment(1) | TrackBack(1) | 音楽;アフリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございました。
このように個人の顔が見えると、遠い国もぐっと近くに感じることができます。そういう意味で音楽は軽やかに国境を超えていけるのでしょうか。
ご案内の試聴サイトに行ってみました。アマゾンのドイツ語版・・・う う 読めそうで読めない(汗)語学は中途半端でしたから。
Posted by ゲスト at 2005年07月13日 15:38
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++つぶやき手帳++
Excerpt: 恥ずかしながらスーダンのダルフール紛争(ジェノサイド)について、何も知らなかった。↓のサイトで同紛争についてまとまった情報が得られる。「極東ブログ」のfinalventさんが立ち上げたWIKIサイトだ..
Weblog: ++つぶやき手帳++
Tracked: 2005-07-13 15:11