
ボスニアより届いた驚愕の一枚。タイトルに偽り無し。
http://www.snailrecords.com/wholeframeartists.htm
試聴はできないのですが、上記サイトに衝撃的な経緯が詳述されています。
とりあえず日本語で読みたいと言う方は、こちらのページ (音楽鵜)でも紹介されています。
重い、あまりにも重い歌声。一体何なんでしょうかこのおばはんは。
ニーナ・シモンの声をさらに低く太くしたような“おっさん声”。
淡々と屹立する歌声が、まるで祈りのようにも聴こえます。
このアルバムには、ロマ語、セルビア=クロアチア語、マケドニア語の歌が収録されていますが、ここでは政治的表明としてではなく、各民族の楽曲が単純によき楽曲として等価に取り扱われています。
さらに、旧ユーゴの民族共存を祈る音楽家集団モスタル・セヴダ・リユニオン(内戦さなかのサラエボで結成されたという)の、集中力に満ちた演奏が印象的です。映画『アンダーグラウンド』でも活躍したセルビア最高のトランペット奏者ボバン・マルコヴィッチも参加しています。
一人でも多くの人に、しみじみと聴いてもらいたい一枚です。
私たちの生きる世界には、このような作品を世に出すレコード会社こそが求められていると信じます。
試聴したいな。