
うわっ、プログレだあ。
これまで色々な辺境音楽を語って来た。玉石混淆の感はあれど、自分なりに良いと思う音楽だけを取り上げて来たつもりだが、今回ばかりは分からない。この音楽は面白いのだろうか。「プログレ」という禁断の言葉とともに、私の音感は麻痺してしまう。
トルクメニスタンのジャズロックバンド、Guneshのアルバムである。ジャケットに見えるDr. John風の髭面が今回の主犯、Rishad Shafi。稀代の馬鹿テクドラマーにしてGuneshのリーダーでもある。2000年に出た本作はオリジナルアルバムではなく80年代後半の音源を集めた再発モノである。
80年代後半のトルクメニスタン・・・さすがに私の想像を絶する。
トルクメニスタンの文化史的な位置付けというのも良く分からないのだが、私の勝手な予想に反してトルコ風味もアラブ風味も感じられない。あくまでもベースはロック。その上に時折インド風味やら中華風味やらが無節操に錯綜する。時代相応に安っぽい音色と相俟って、全体のムードは適当にオリエンタル趣味を配したバリバリ変拍子のカシオペアという感じだが、それは説明になっているのだろうか。
ごく稀にヴォーカルの入る部分があり(クレジットによればキーボード担当の片方が歌っている)、そこだけ妙に強烈な中央アジア感を帯びている。バイオリンや箏(みたいな何か?)の音も聞こえて来るが、これは記載が無く詳細は不明である。タブラも入っているが、この辺の匙加減に関しては憶測すら難しい。トルクメニスタンとインドは意外に近いのか、それともスパイスとして意図的に用いられているのか。
大所帯の編成でメンバーは10人。キーボード×2、ギター×2(うち一人はシタールも担当)、ベース、サックス、クラリネット、そしてパーカッションがShafiを含めた3人だ。
オフィシャルサイト(なのかどうかもよく分からない。しかも更新停止中)で聴けるこの曲がオープニング。いやあプログレですなあ。
バンドの結成は1970年。元々はヴォーカルを中心にした、もう少しトラッド色の強いバンドだったようだ。そして、このバンドが今どうなっているのかも、さっぱり分からない。Rishad Shafi本人のサイトは全てロシア語で、残念ながら私には手も足も出ない。どうやらモスクワを拠点にして活動しているらしく、今世紀に入ってからも何枚かのアルバムを出しているが、いずれも日本での入手は難しいと思われる。ちなみに本アルバムを出しているのは、Boheme Musicというレーベルだが、ジャケ裏に記載されているロシア語サイトも英語サイトも現時点では存在せず、検索しても出て来ない。既に潰れたのだろうか。
これは本アルバム所収の曲ではないが、まあだいたい感じは近い。
http://www.youtube.com/watch?v=WHEiNcVfXhg
やっぱり私には分からない。きっとやきとりさんの守備範囲だから、今度会ったら押し付けよう。
ついでに、アルバムタイトルはどういう意味なのか、誰か知ってたら教えてくれ。
検索用;Ришад Шафи И Гунеш
45° в тени
45° в тени
тень(女性名詞)
1陰、陰になった場所;影
2以下略
<例文>(温度・・・[ロシア語表記略])20°в тени. (温度は日陰では20度です)
というのが真っ先に載っていたので、日陰では○○度という言い方が、ポピュラーなのかも。
で、トルメキスタンて、ああいう気候だから、
「日陰でも、45度もあるんだぜぇー」とかいうのりでは??(≒オレ達暑いぜーー!)
(音楽もそんな感じだし^^)
あるいは、そういうことわざとか言い回しがあるのかもしれないけれど、そこまでは調べられませんでした^^;
ご参考までに。
ちなみにインナーでは「°」の記号は使われず、45 degrees in a shadow/45 градусов в тениとなっています。
それにしても日陰で45度って、どんな世界なんだろう。30度で廃人になる私はどうすれば良いのか。
このバンド、どのくらい売れたんだろう当時のトルクメニスタンで。