
プログレ幽玄。
前回は微妙に騙されたので今度こそスコットランドのバンドを、と思ったら、またしても違った。どうしてスコットランドは私を避けるのか。
この記事を書き始めるまでスコットランドのバンドだとばかり思っていたが、実はイングランドのバンドだ。80年代後半から活動していて、この『open sky』は2000年のアルバム。化粧品屋のイオナと同じ綴りだがアイオナと読む。
Ionaとはスコットランドの西部、インナーヘブリディーズ諸島に属する小島である。ゲール語では聖コルンバの島と呼ばれ、アイオナ修道院は中世ケルト教会以来の巡礼地としても名高い。むろんこのバンド名が私の勘違いの元になっている。
メンバーは5人。イングリッシュ、アイリッシュ混成で、ケルトの魅力溢れる美しい女性ヴォーカルとイーリアンパイプがサウンドのコアになっている。5人それぞれがマルチプレーヤーだが、基本的にはギター、ベース、ドラム(兼ヴァイオリン!)、キーボード(兼ヴォーカル)、イーリアンパイプという編成になっている。
全体にプログレ色が強い。wikipediaではprogressive Celtic rock bandと紹介されているが、言い得て妙である。概してプログレは好みじゃないんだけど、これはステキだと想う。やたらと大げさな、もとい、壮大なシンフォニックアレンジが、いかにもプレグレっぽく、それがまた綺麗にハマっている。曲をまたいで同一のフレーズが繰り返しれたり、時にはそれが重層的に組み合わされたりというコンストラクティブな創りは、往年のマイク・オールドフィールドのアルバムを想わせる。
非国民のお気に入りは「hinba」
http://www.youtube.com/watch?v=BBJzxqtKJak
タイトルは、やはり中世ケルト教会に関わる伝説の島の名である。シンプルで美しいメロディに、透明感のあるヴォーカル。そこに絡む妙に強気なドラムがプログレ魂ってやつなんだろうか。果たしてその繊細なドラミングは、ロック色を強く打ち出しながらも独特の浮遊感を醸している。コーダに現れるイーリアンパイプの枯れたフレーズも素晴らしい。
がっつりとプログレを堪能したい人は、一曲目のインスト大作「woven cord」をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=wiD6cluQxyw
変 拍 子 リ ズ ムで攻められまくって、俺もうずっとヘヴン状態www
冗談はさておき、やはりインストの方が好みです(女性ボーカルの声も好きですが)。何よりもリズムが意外と野卑でワイルドなのに好感が持てます。こういうのって線が細くて何だかなあと思うことが多いのですが、これはしっかりロックですね。ヒーリングミュージックみたいなイントロで戸惑ったけど、ギターのメロディもカッコいい。高校時代に聴いていたらCD即買いでした。「KENSO」という国産プログレバンドと共通するナニかを感じます。
ヤヤコシイことせんといて、ほんま。もうちょいで読まんと消すとこやったわ。
それはともかく、やはり「人間が叩いているドラム」って良いもんですねえ。ここまで大げさに盛り上がってなければ、もっと好みなんですが。
えー? ロボットが叩くとか、しているの?最近の音楽?
こんな↓
http://www.flickr.com/photos/hansspeekenbrink/4351343990/
あんまり良いもんじゃないなあと、私は思いました。本人はとても楽しそうだったけど。