2010年12月14日

ディープサウスを歩く

大阪での仕事が終わって軽く飲んだあと「フェイさん、見た事ないんだったら案内しますよ」と地元のスタッフに誘われて、深南部の最奥“飛田新地”を歩いてみた。

話に聞いたことはあったが、この目で見るのは初めてである。

つくづく不思議な街だと思う。いわゆる「悪所」であることには間違いないのだろうが、「悪」の臭いは丹念に拭い去られていてる。カオティックな猥雑さは微塵も無く、極めて慎重に隔離され管理の行き届いた「悪所」であるように思われる。こう言ってよければ清潔な印象すら受けた。東京には無い種類の街だ。

同行したフォトグラファーのどろぐま氏は「SFの世界に迷い込んだような」と評していたが、全く同感である。そこで行われる商売を考えれば、そもそもが虚飾の街であることに何の不思議も無いのだが、それにしても、と思う。描き割りのような景色が延々と続く(飛田新地は私が想像していたよりもずっと広かった)虚飾の街。それは誇張ではなく本物の異世界であった。
posted by 非国民 at 23:50| Comment(9) | TrackBack(0) | 歴史と文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昼間のシャッター商店街みたいな感じでしょうか? まあシャッター商店街の方は、夜になっても誰も通りませんが。
Posted by やきとり at 2010年12月15日 12:27
「寂れたと」か「荒んだ」とかいう感じでは無いんですよね。たしかにレトロスペクティブな建物が多いんですが、別に「廃」な印象ではありません。かといって賑やかっていうのともちょっと違うし、ただただ強烈に非現実的な街でした。
例えばディズニーランドのような清潔さ、とでも言えば、その圧倒的な虚構感、目の眩むような嘘臭さの一端でも伝わるでしょうか。
Posted by 非国民 at 2010年12月16日 00:13
なんだか、ぼくは、そういう虚構感に魅力を感じます。

なんとなく、文学=神話の虚構性というのとも関係している感じですね。

行ってみたい!
Posted by 黒木 at 2010年12月16日 07:32
黒木さんは行った方が良いと思います。
Posted by 非国民 at 2010年12月16日 23:54
大阪在住の一年間では難波のとば口と北新地のはずれぐらいしか行けなかったなあ。

飛田新地とかには地元民と一緒じゃないと。
いろいろお作法がね、わからないもので。
Posted by manet at 2010年12月17日 14:44
たしかに、あの界隈をガイドなしで余所者がウロウロするのはお薦めしません。でも、manetさんは別に行かなくても良いんじゃないかという気がします。何となく、ですが、そう思います。
Posted by 非国民 at 2010年12月17日 23:55
超・おひさしぶし(笑)でし。
しっぽだけ残して帰る、でし。
Posted by ちろ at 2010年12月20日 23:18
周りは開発されても、あそこだけは時代から取り残されてますね。
でもトラブルの類は殆ど聞きません。
ボッタクリの被害に遭わずに済むと言う点では他の盛り場より安全ですよ♪
ある意味、真の「独立国家」ですなw
Posted by 何でオマエはそんなに詳しいんだよ(`∀´) at 2010年12月21日 16:19
私の場合、女性(どろぐま氏)と一緒に歩いていた時点で最初からオフターゲットなんですが、それでも「清潔」な印象は強く受けましたね。
Posted by 非国民 at 2010年12月22日 00:03
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