2013年05月14日

軽くヅカちっく

オーケストラのコンサートで、指揮者とコンサートマスターが両方とも女性ということがあった。女性のコンサートマスター、日本ではコンサートミストレスとも呼ぶが、まあこれは珍しくない。それでも、女性が指揮、というケースはあまり見ない。

その時は、コンサートマスターがイブニングドレス、指揮者はパンツスーツ姿だった。燕尾服ではなくラウンジジャケット風のスーツ。

両者の所作というか、出ハケなんかの立ち居振る舞いが、見ていると面白い。スーツ姿の指揮者が、何となく「男役」みたいな感じで、レディーファーストになっているのだ。ちょっとヅカっぽいその雰囲気が、新鮮というか何というか。それを良いとか悪いとか言うつもりは別に無いけど、ああやっぱりそういうことになるのかと不思議な気分。

コンサートのような公の場で女性のズボン姿が「あり」になったのは、そんなに昔のことではない。イヴ・サン=ローランが「タキシードルック」を発表して物議を醸したのがたしか1966年だから、まだ半世紀と経っていない。女性のファッションそのものは飛躍的に自由になったが、ファッションとジェンダーロールの関係が自由になるのは、もう少し先のようだ。
posted by 非国民 at 21:51| Comment(6) | TrackBack(0) | 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヅカちっく!((笑))
女性指揮者の西本さんには、女性の追っかけファンがものすごい多いらしいですね。
だから、オケの後ろの席(指揮者の顔が見える席)が即売り切れになるとか。。。
女性はやはりオスカル様的な女性に惹かれるのでしょうなあ。
Posted by ハッピー林 at 2013年05月15日 10:39
>ヅカちっく

 季節柄、夏も ちかヅック 八十八夜 って読んでしまいました。(嘘つけ)

 ただ、どうなんでしょうね。指揮者がひらひらスカートで指揮台の上で跳ね回ったら、弦楽パートのトップたちにはお邪魔ってことないかしら。

 礼服というか黒福を着るってオーケストラの観衆がまずあるでしょ。その中の女性も、けばけばカラフルな服は着ない。
 一方ソリストは、女性は鮮やかなドレスで露出も多い。これは夜会などでも正式な服装なんでしょうね。
 
 指揮者はオーケストラの一部で、ソリストと同列ではないということかなあ。
Posted by kuroneko at 2013年05月15日 13:10
とあるフランス人によれば、フランスの5月革命の最大の功績は、これを機に女性がスカートの代わりにズボンを履くようになったこと、なのだそうです。
Posted by 黒木 at 2013年05月15日 19:37
ハッピーさま
そんなことになってるとは露知らず。オスカル様かあぁぁ。指揮者という存在そのものに、男性的な役割期待があるんですかねえ。

kuroneko師匠
基本的には同列なんです。じっさい、両方とも男性の場合には全く同格で、どっちが先ということもありません。で、どちらか片方(コンサートマスターの場合がお多いですが)が女性だと、レディーファーストです。
両方とも女性の場合だって同格で良さそうものを、何故か「男役」が出現する。そこが面白いんですよ。とはいえ両者ともドレス姿だったら、それは成立しないでしょうし、やっぱり着てる服で立ち居振る舞いが規定されているように見えました。
「指揮者がひらひらスカート」はたしかに変かも、と私も思いますが、それだってやはり役割期待に過ぎない訳で、いずれ変わって行くのかも知れませんね。

黒木さん
たしかに革命ですよそれは。
Posted by 非国民 at 2013年05月15日 20:56
黒福→黒服 オーケストラの観衆→慣習

これ、客演とかそういう「うちそと」の意識と関係ありませんかね。もともと日本の慣習ではないからないか。

男のソリストと、女性の指揮者の場合は、女性がレディファーストとして、指揮者がすたすた先に歩くか、それともオーケストラとしてはお客様のソリストを先に立てて歩かせるか、って話なのかと思ったけど、ジェンダーも要素かな。そんなような。違うような。

コンサートマスターが大谷康子さんで、指揮者が西本智実さんだと、両方、地味目な服を着たとしたらどうなるのかしらん。
Posted by kuroneko at 2013年05月15日 22:43
ジェンダーロールとはまた違う位相での、「指揮者」という「役割」に付随するドレスコードなのかな、とも思います。
でも、両者地味目のスーツ姿で同格の振る舞い、というのも見てみたいですね。今どき貴族の社交場でもないでしょうから。
Posted by 非国民 at 2013年05月16日 00:56
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