歯医者通いも一段落。
と思ったのも束の間、今度は反対側の歯が痛い。何ごとかと慌てて歯医者の予約を入れる。見てもらったのは三日後で、既に痛みは去っていたが、やはり判定はクロだった。
歯と歯の隙き間の見えないところから、虫歯が奥に進んでいたらしい。不思議な事に、虫歯になっていたのは痛いと思っていた歯の2つ隣だった。「この前と同じような治療になります」と医者は事も無げに宣言し、ここに人生三回目の抜髄が決定する。
大概は痛みを感じるようになった時点で手遅れなのだ。気がついた時には既に取り返しがつかない。私の人生でそれこそ何度も繰り返されて来た事ではある。
二度目の通院から本格的な治療が始まる。麻酔をかけて歯を削り、今更ながらの医者の言「やっぱりここです、間違いないですね」。痛かったのはその歯じゃないんだけどなあと思っていたが、さすがと言うべきか、当たり前だけどプロって凄い。そのプロも「ここは見えないところですからねえ」としきりに呟く。
さらに歯を削り「ほら、ここです」と鏡で患部を見せてくれた。金属の鈎(*)で軽く引っ掻くだけでボロボロと崩れる。あ、腐ってる、と瞬時に納得した。麻酔が効いているので、半ば他人事のように観察出来る。コンクリートが酸で腐食するという話を聞いたことがあるが、きっとこんな感じなんだろうなあ。
「薬を詰めたので、しばらくはジクジクする痛みがあるかもしれません」と言われて歯医者を後にしたが、麻酔が切れてから痛んだのはやはり別の歯だった。俺の神経系はどうかしてると思った。
*本当は何て言うんだろう。きっと何か専門用語があるのだろうな。親知らずを抜かれた時もプライヤーの事をなんだか小難しい用語で呼んでいた。でも出て来たものはどう見てもプライヤーだった。
2014年10月30日
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