
名にし負うジャパンフーズ。
これこそもう不味いに決まっているわけだが、何故か眼の前にある。眼の前にある理由は至極単純で、先日遭遇したジャパンフーズ工場至近の道の駅で売っていたからだ。良く考えると理由になっていない気もするが、生きていれば思い通りにならない事も多い。
道の駅というのは、何時の間にやら随分と増えたようで、今では日本各地に千カ所以上もあるそうな。運転していると近くを通る事は珍しくないが、私は滅多に入らない。大体ロクなものを置いていないのだ。
全てとはいわないが、殆どの道の駅は、何らかの補助金によって成り立っている公共事業であり.....公共事業であるが故に積極的に利益を上げようという動機が薄く.....従って魅力的な商品に乏しい.....とまあ、要するに日本の補助金行政が推進する駄目サイクルの一症例である。こうやって地方は更なる摩滅へと向かうわけだが、滅多に入らない道の駅にわざわざ立ち寄ったのは「ジャパンフーズ至近」というその立地に「嫌な予感」がしたからだ。
予感は見事に的中し、いま私の眼前にある房総サイダーいちご風味。いつまでも政治の不毛を嘆いているわけにもいくまい。意を決してまずはグラスに注いで

無色透明の炭酸であった。
せめて何かしらイチゴっぽい色を付けようとは思わなかったのか。さすがは低脳県限定の老舗毒なれば。よもやグラスに注いで飲む酔狂人がいようとは敵も考えなかったか。
果たしてその味は、予想を遥かに潜る酷さであった。どうせ不味いんだろう、人工的なイチゴ香料に咽せるんだろう、とは思っていた。思ってはいたが、その攻撃における「人工的」な采配を、まだまだ私は読み切れていなかったのだ。かき氷で攻めてくるか、歯磨き粉で攻めてくるか、敵の戦略は精々その程度だと踏んでいたのだが、口腔に揮発する現実はそのどちらでもなかった。
これは全く新しい、今まで体験した事の無い、それでいて間違いなく人工的な、微かなイチゴ風味である。そして果てしなく不味い。やたらと強気な炭酸が漏電のようにビリビリと舌を刺す。
日本人は、これほどのことをやり遂げられるのだ。その感慨に深く浸るべく、是非とも御一飲あれ。
根性が違いますな。
残念ながら、我が埼玉県ではそんな危険なものは手に入りません。
いやぁ、残念だなぁ
「新境地を開拓した」とは言えるかもしれません。もちろん悪い方向で。