2020年06月22日

ゆらゆらと駆動する小宇宙

ラジオ代わりに聞き流しているsoundcloudで行き当たった佳曲。
Mina - Betti Sahranah / مينا - بتّي سهرانة 。これは本当に良い。

ポルトガルのプロジェクトだが、メンバーは流動的だ。そもそもテンポラリーなグループのようで、アルバムは出ていない。いくつかのライブやスタジオセッションがyoutube上に残っていて、この曲はこちらで聞ける

映像を見て驚いた。何故に胡座か。アラブ世界では足裏を見せるのが失礼にあたるので、胡座が正式な座り方だとかなんとか、どこかで聞き及んだ記憶もあるが、胡座で歌う人を見たのは初めてじゃなかろうか。アラブ人の歌手は何十人と見てきたが、ちょっと他には思い当たらない。

曲は淡い片恋を詠んだチュニジアの古謡。歌っているのはTerez Sliman / تريز سليمان 。カナ表記だとテレーズ・スレイマンという感じだろうか。ハイファを拠点に活動するパレスチナ人で、自身のアルバムも何枚か出ている。ゆらゆらと歌い上げるその姿は、「そういえばインドにこんな神様がいなかったっけ」と錯覚させる。

他の4人はポルトガルのミュージシャン。ダフとコーラスのSofia Portugalはソロシンガーとしても活動している。どうでも良いが凄い名前だ。残りの3人は、ちょっと調べた限りでは素性が分からない。ちなみにギターのように見えるのはブラグエーサbraguesa。ポルトガルの民族楽器で5コース10弦。端整なアレンジの中、この複弦の響きが絶妙に東西を繋いでいる。
 
posted by 非国民 at 23:53| Comment(0) | 音楽;南欧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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