2020年07月05日

Sade 【Love Deluxe】

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20世紀の名盤に浸ろう
 
私と同年代なら知らない人はいないだろうロンドンのバンド、Sadeの4枚目アルバム。80年代には日本でも相当売れたバンドだが、流行りに背を向ける気質の私は当時ほとんど興味を持たず、聴き始めたのは21世紀に入ってからである。本作は1992年の名盤。さあ浸ろう。

さて、その前にSadeと書いてシャーデーと読む。さすがにイギリス人も知らないと読めないらしく、wikipediaにはshah-DAYと振り仮名(?)が書いてある。バンド名はヴォーカルのシャーデー・アデュSade Adu(*1)に由来している。ややこしい。サンタナがバンド名でカルロス・サンタナが個人名だというのと同じ関係だが、何故ややこしくするんだろうか。私自身、最初はソロ歌手だと思っていた。

メンバーは4人、ヴォーカル、ギター兼サックス、ベース、キーボード。Sade Aduが詞を書き、4人全員が作曲する。インストナンバーも入っているあたり、やっぱりバンドなんだなあと思う。

ジャンルとしてはソウル、なんだろうか。ネオソウルみたいな呼び方も当時あったかと記憶する。ただし、ソウルフルな印象は全くない。もっと、何というか、程良く力の抜けた感じ。音数も全体に少なめで、そのまったりしたグルーヴが実に心地よい。これは、あれだな、大人が聴く音楽だな。

このアルバムで一番売れたのは、おそらく「Kiss of Life」だろう。実際に多くのミュージシャンがカヴァーしている。しかし非国民が全力でお薦めするのは「Cherish the Day」。これは本当に良い。張り詰めた緊張感とまったりグルーヴの同時進行が、得も言われぬ叙情に昇華する至福。ストイックなまでに研ぎ澄まされたアレンジも常軌を逸して美しい。いつまでも聴いていたい名曲ここにあり。youtubeのSadeチャンネルにはオフィシャルビデオも載っているが、こちらの音源はシングルリリースのバージョンで若干ストイックさに欠けるのが残念。

ちなみにジャケット写真はAlbert Watson。ヴォーグの表紙を100回以上撮ったという超一流である。



*1 ナイジェリアの出身でヨルバ語での名前はFọláṣadé Adú。
 
posted by 非国民 at 02:21| Comment(0) | 音楽;西欧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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