『アマテラスと天皇』という本を読んでいて、これがなかなか面白い。千葉慶2011吉川弘文館。
明治政府の推し進めた国民教化運動。それは昔日の信仰への復古ではなく、新しい「国教」を創造する試みだった。とまあ、ここまでは知っていたが、その「国教」が一神教であらねばならぬと強く希求されていた、という指摘が新鮮だ。
教義の構築に伴って、伊勢神宮を頂点とする神社ヒエラルキーが確立していく。その紆余曲折を見ると、宗教シンボルを政治利用することのリスクを当時の政府も理解していたことが分かる。
彼らの危惧したリスクは後に現実となリ、暴走したシンボルは天皇と一体化して「現人神」と成り果てた。
2020年08月04日
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