2020年09月05日

蛇と遊んでバサマに怒られた話

何の自慢にもならないがハチに刺されたことがある。ついでに言うとネズミに噛まれたこともある。しかし蛇に噛まれたことはない。これは自慢できるか?

子供の頃、ヘビが好きだった。見かけるたびに捕まえては、しばらく遊んで逃がしていた。もちろん遊んでいるのは私だけでヘビはさぞかし迷惑だったろうと、今では思う。何でそんなことをしたのか。子供は馬鹿だ。

ヘビの扱いは男親に手ほどきを受けていたので一度も噛まれたことはない。親に教わったことがその後の人生で役に立ったという記憶はあまりないが、これは数少ない例外だ。もっとも家の近所にいたのは殆どがシマヘビで、偶にアオダイショウに遭遇する程度だから、そこまで真剣勝負というわけでもない。

ある日のこと、いつものように家の近所でシマヘビと遊んでいたら、通りすがりの見知らぬ婆さまに「ヘビをいじめちゃ駄目だ」と咎められた。これはいじめてるわけじゃなくて、ちょっと遊んだらすぐに逃すから、と言っても婆さまは納得しない。「ヘビをいじめるな」の一点張りである。まあ、いじめてるようにしか見えないだろうな、と今になれば私も思う。だが子供は馬鹿なので「遊んでるだけだ」と言い張る。婆さまも譲らず「私の連れ合いはヘビをいじめたせいで酷い死に方をした」という謎の信仰告白とともに、泣きながら「ヘビをいじめるな」と訴える。

その迫力に圧されたというか、謎の信仰が理解できずに私の思考が止まり、ヘビは晴れて自由の身となって一件は落着した。何だったんだろう、あの婆さまは。

男親にはヘビを焼いて喰う時のコツと注意点も細かく教わった。今でもよく覚えているが、こちらの知識は一度も役に立ったことがない。
 
posted by 非国民 at 02:01| Comment(0) | 生き物あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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