2021年04月29日

「通勤7割減」の真意や如何に

明瞭な既視感とともに接する西村担当大臣の言であるが、どこまで本気で言っているのか、本当に理解に苦しむ。

去年の春にも同じような「お願い」を聞いた。その結果は遠く目標に及ばなかったはずである。いま再び同様の「お願い」を繰り返して7割減が達成できると思っているのか。本当に思っているとしたら西村さんの正気を疑う。本当は思っていないのだとしたら大臣の言葉の軽さに痺れる。

テレワークを実施しても業務が廻って利益を確保できる会社は、とっくにそうしているだろう。テレワークを実施していない会社は経営上の判断として、そうなっているわけだ。状況が変わらなければ、何度「お願い」されても判断は変わらない。

さて、そもそもの話だが、通勤を7割減らすことは可能なのだろうか。警察、消防、医療、電気、ガス、水道、食料品の生産流通販売、これらを維持するとなれば、残りの全てを止めても7割減には全く届かない気がするのだが、あなたどう思うか。ちなみにワクチンの優先接種対象となる「医療関係者」が480万人と言われているので、これだけでも労働人口の8%である。

戦略というのは実行できなければ意味がない。通勤7割減が実行可能なのかどうか、誰か真面目に計算した人はいるのだろうか。計算したのなら「これこれこういう方法で実行可能である」という話が出てきそうなものだが、残念ながら聞いたことがない。

実行不可能な目標を掲げて「気を緩めるな」と言い続けるのは、もはや戦略ではなく、ただの精神論である。「今コソ一億玉砕ノ覚悟ヲモツテ戦局ヲ打開スヘシ」と変わらない。
 

posted by 非国民 at 09:05| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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