2021年05月21日

Autostrad- Mafi Wagt

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暑苦しく叙情を撒き散らすアラブのおっさんバンド
 
ヨルダンのインディーズシーンは、このバンドと共に始まった。2007年結成の6人バンドAutostrad / اوتوستراد 。高速道路の意味だが、由来は不明。毎度思うがアラブ人はバンド名を安直に付けがちだ。

編成はVo、Gt、Ba、Dr、Sax(時々Key)、Key、の6人。GtとKeyは途中で入れ替わっているが、残る4人は結成以来変わらず。サウンドはレゲエとファンクを基調にしたアラビックロックで、独特の暑苦しさと叙情を併せ持つ。

やたらと全員で歌うのもこのバンドの顕著な特徴で、それがまた暑苦しさを助長する。

これまでに4枚のアルバムが出ていて、2017年に出た4枚目だけはググッとアラブ音楽に近づいた異色作だ。

そんなAutostradの最新作が2021年に出たシングル「Mafi Wagt 」。何だこの異常に格好良いおっさんファンクは。
Autostrad - Mafi Wagt (Official Music Video) l اوتوستراد - ما في وقت
粘っこいベースのグルーヴ感が何ともエロい。

映像も良い。背景に広がるアンマンの街並みが音楽と美しくマッチしている。ヨルダンの首都アンマンは、どこか「人為的に作られた感」の強い都市だ。とはいえドバイのような成金趣味はない。本来は古都なのだが、あまりにも急激に人口が膨れ上がったせいで、まるで全く新しい都市が忽然と立ち現れたかのように見える。

20世紀の半ばに2万人ほどだったアンマンの人口は今や400万人近い。イスラエル、パレスチナ、レバノン、シリア、イラクといった穏やかとは言い難い国に囲まれて、その中では比較的穏やかだったヨルダンには多くの難民が流れ込んでいる。中でも多いのがパレスチナ人で、1948年の戦争と1967年の戦争では、それぞれ数十万単位のパレスチナ人が逃れてきた。現在のヨルダンの人口の半分近くはパレスチナ難民とその子孫だと言われている。

アンマンは標高が高く、冬には雪が降ることも珍しくないと聞く。それでもAutostradの暑苦しい叙情に触れると、やっぱりアラブのバンドだなあと深く感じる。この曲は何度聴いても良い。

ちなみに、これは彼らのファーストアルバムに収められた曲「Misal」。
فرقة اوتوستراد الموسيقية | Autostrad - مرسال
レゲエするアラブ人も格好良いぞ。
 
posted by 非国民 at 05:14| Comment(0) | 音楽;西アジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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