土地規制法なるものが閉会間際の駆け込みで成立なる由。
まあ酷い。どんな地域のどんな行為が規制対象になるのか、条文をどれだけ読んでも全く分からない。はっきり言って法律の体を成していない。
どんな施設が対象なのかは「政令で定める」。調査対象は「利用者その他の関係者」とあり、関係者の定義は条文に無い。どんな行為が規制対象なのかは「閣議決定で決める」。一体これは何を定めた法律なのか。
無限に拡大解釈が可能な悪法に対しては当然ながら危惧する声も多数あり、そして「心配しすぎだろ」「いくら今の政府がアレでも、そんなことするわけないだろ」「これだから反日左翼は」という毎度のパターンだ。
反日でも左翼でも結構だが、何がダメなのかといえば「そんなことするわけないだろ」ということでも、やろうと思えば制度的には出来てしまうことが法律としてダメなのだ。
実務的な運用を考えれば、おそらくこの法律は何の役にも立たないだろう。法律としての出来が悪すぎて使えないと思う。そして、岩盤支持層の歓心を買うためだけの目的で何の役にも立たない法律を強引に通すという、その計算がいかにも卑しい。
ずいぶん前に読んだ本で書名も覚えていないが、全国のトンデモ条例を集めた中に「岩石等」という表現があって、思わず笑ったのを覚えている。「岩石等」は岩石以外に何を含むのか、今でも分からない。
2021年06月17日
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