非国民たる私が自民党の言い分に共感することは相当な珍事であるのだが、今回ばかりは、私も「何が問題なのか」と思った。本気で思った。自民党、というか、自民党の一部すなわち清和会と統一教会の親密な関係は、今に始まった事ではなく、日本人であれば「知りうべき」事である。
「知りうべき」という日本語は、日常会話では馴染みが薄いが、裁判の判決文に出てくる法学用語だ。噛み砕いて言えば、要するに「常識的に考えれば当然知っていた筈であるし、もし本当に知らなかったとすれば、その事自体が重大な過失である」という感じのニュアンスだ。
自民党と統一教会との親密な関係は、日本人であれば誰しも(少なくともある程度の年齢層以上であれば)当然に知っている筈である。何なら、社会常識と言って良いレベルだ。
つまり、自民党の支持者は、自民党と統一教会との親密な関係を充分に知った上で支持してきた筈なのだ。「知らなかった」というのは、端的に言って大人として恥ずかしい無知でしかない。非自民党支持者たる私は、自民党支持者の「知らなかった」という弁明を断じて許容しない。
であるが故に、私は自民党総会長の「「何が問題なのか、分からない」という発言に共感する。開き直りとだと言えば言えなくはないが、むしろ私にとっては「今更何言ってんの」という感が強い。
2006年頃かなあ。gegengaさんの「かめ?」だと思ったけど、安倍氏が統一教会のイベントに祝電を贈った件で、gegengaさんが記事にしたら、「別に統一教会の活動に賛同しているわけではない」みたいなコメントがあって、「賛同しているから祝電を送ったんじゃない?」とつっ込まれていましたっけ。
ただ福田総務会長のものの言い方、「ワシは送っとらんで。不用意な奴らが統一教会とチコチコしよるの、おもろいは」みたいにも感じますねえ。
開き直りというより。
それとも(あり得ないとは思うけど)沈静化を図るために、わざと軽く扱おうとしたのかな。
それはさておき、私だって自民党と統一教会の親密な関係を「問題ない」と思っているわけではありません。とはいえ、かくも「大問題じゃないか言説」が巷に溢れるのを見るにつけ、その「今更何言ってんの感」に驚き呆れるわけです。今まで本当に知らなかったなんて、そんな事があり得るのかという疑問が尽きないわけです。
小中学生ならともかく、高校生ぐらいにもなれば原理研のオルグ(死語か)だってあるでしょうし、その時に、この「聖書を読む会」はちょっとアレなのでは、と察する程度のリテラシーは日本人に必須の基礎教養だと思う次第です。