2015年03月22日

毒を喰らわば海まで

半ば自棄になっての連投。自棄の生じたる所以を専門用語で役割期待と言う。

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名にし負うジャパンフーズ。今回のブツは海サイダー。

やはり飲むのか。

生きていれば思い通りに行かない事も多いが、死んでしまえば、もっと思い通りに行かないような気もする。楽に生きるのと楽に死ぬのとでは、どちらが難しいか。

死後の世界を考えるなと釈尊は説いた。

死んだ後の事は分からない。
誰にも分からない。
どんなに考えても分からない。
分からない事を考えるのは時間の無駄だから、
そんな暇があったら、この世界でどう生きるかを考えよ。

釈尊の教えは簡潔にして深い。

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余談が長いのは、もちろん飲みたくないからだが、書き始めてしまった以上、いつまでもこうしてはいられない。グラスに注いで、ああ前回と一緒。オベーションのウクレレを見た時のような「やっぱり」感。されば意を決して一口。

     お、意外に普通のサイダー。。。。

  普通のサイダー。。

サイダー。

ああ何とゆう事でしょう、これはサイダーだ。一瞬だけ普通のサイダーかと思わせておいて、絶妙の半拍遅れで激毒香が押し寄せるのが今までのパターンだったので、10秒ほど固まってしまった。

来ない。何故か今回に限って来ないぞ怒濤のアレが。慌てて缶裏に記載された原材料を確認すると、そこには「食塩」。まあ海だからなあと思いつつ、改めてじっくりと味わうと、そこには微かな汐の味が、いや普通のサイダーだ。これでは記事にならない、もうこんなに書いてしまったのに。

再び缶裏を凝視する。「千葉県の海水よりつくった塩をひとつまみ」と明記されている。私が飲んだのは海サイダーで間違っていない。が、いつまで待っても海の香りはやって来なかった。

海の塩を入れてここまで真っ当なサイダーを創るメーカーが、どうやったら果物をあそこまで不味く出来るのだろう。人の営みの奇怪なること、ついぞ底知れず。埼玉県民は海が無い事を悦ぶべきや否や、そんな事にさえ思いが及ぶ深夜の一杯であった。
posted by 非国民 at 02:06| Comment(11) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月18日

問答無用のイチゴ毒

長い浮世に短い命。色々と試してみたいとは思いつつ、さすがに不味いと分かっているブツにはおいそれと手が出ない。

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名にし負うジャパンフーズ。

これこそもう不味いに決まっているわけだが、何故か眼の前にある。眼の前にある理由は至極単純で、先日遭遇したジャパンフーズ工場至近の道の駅で売っていたからだ。良く考えると理由になっていない気もするが、生きていれば思い通りにならない事も多い。

道の駅というのは、何時の間にやら随分と増えたようで、今では日本各地に千カ所以上もあるそうな。運転していると近くを通る事は珍しくないが、私は滅多に入らない。大体ロクなものを置いていないのだ。

全てとはいわないが、殆どの道の駅は、何らかの補助金によって成り立っている公共事業であり.....公共事業であるが故に積極的に利益を上げようという動機が薄く.....従って魅力的な商品に乏しい.....とまあ、要するに日本の補助金行政が推進する駄目サイクルの一症例である。こうやって地方は更なる摩滅へと向かうわけだが、滅多に入らない道の駅にわざわざ立ち寄ったのは「ジャパンフーズ至近」というその立地に「嫌な予感」がしたからだ。

予感は見事に的中し、いま私の眼前にある房総サイダーいちご風味。いつまでも政治の不毛を嘆いているわけにもいくまい。意を決してまずはグラスに注いでをををなんと

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無色透明の炭酸であった。

せめて何かしらイチゴっぽい色を付けようとは思わなかったのか。さすがは低脳県限定の老舗毒なれば。よもやグラスに注いで飲む酔狂人がいようとは敵も考えなかったか。

果たしてその味は、予想を遥かに潜る酷さであった。どうせ不味いんだろう、人工的なイチゴ香料に咽せるんだろう、とは思っていた。思ってはいたが、その攻撃における「人工的」な采配を、まだまだ私は読み切れていなかったのだ。かき氷で攻めてくるか、歯磨き粉で攻めてくるか、敵の戦略は精々その程度だと踏んでいたのだが、口腔に揮発する現実はそのどちらでもなかった。

これは全く新しい、今まで体験した事の無い、それでいて間違いなく人工的な、微かなイチゴ風味である。そして果てしなく不味い。やたらと強気な炭酸が漏電のようにビリビリと舌を刺す。

日本人は、これほどのことをやり遂げられるのだ。その感慨に深く浸るべく、是非とも御一飲あれ。
posted by 非国民 at 21:39| Comment(3) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月20日

既知との遭遇

ほぼ例年の事ながら2月は暇だ。

さしたる仕事も無く、日本の未来は愈々暗く、久しぶりに海でも眺めようかと茂原街道を下っていたら、ソレは突然視界に入って来た。

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ジャパンフーズ。

本ブログで幾度となく取り上げて来た、房総を代表する毒物ドリンクメーカーだ。最近ではこれ
http://feiguomin.seesaa.net/article/146466469.html
思ったより最近ではなかったな。ちなみについ先日、とある友人より「毒物ネタをもっと書くべきだ」と催促されたばかり。

初めて目にする工場は、予想を遥かに越える大きさで、あろう事か堂々と看板さえ掲げている。むろん看板のあればこそ私にも認識出来たわけだが。

それにしてもまあ白日の下にジャパンフーズ。

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何と言うか、もっとこう「闇の密造組織」みたいな感じを想像してたんだけどなあ。軽くがっかり。そして九十九里の海は狂ったように荒れていた。
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2013年07月31日

山を飲む

夏景炎熱の候、どこまでも日本の未来は暗く
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得体の知れぬ瓶をじっと見る。

毒物業界にとって千葉県とは何なのだろう。近所で入手出来てしまった静岡県産「富士山サイダー」を前にして、その疑問は尽きることが無い。

木村飲料と言えば、斯界では知らぬ人の無い毒物ドリンクのトップブランドである。「カレーラムネ」「わさびラムネ」あたりは特に有名で、わざわざこの記事を読むほどの奇人であれば、一度くらいは耳にしたこともあろうかと邪推する。

「カレーラムネ」も「わさびラムネ」も、実はその近所の店で売っていたのだが、この辺は、まあ何と言うか、あまりにもストレートにその不味さが想像出来てしまうので、さすがに手を出さず。その横に並んでいたのが。今回のブツ「富士山サイダー」だ。安易な想像を許さない不穏なネーミングに臆しつつも手を伸ばす私は、しかし何を期待しているのか。

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飲んでみれば、何の変哲も無いサイダーの味であった。たしかに原材料を見れば何の変哲も無い材料ではある。とは言うものの、同じように何の変哲も無い糖類・酸味料・香料の類いだけで果てしなく不味いという飲み物が、過去に何度も確認されているのだから、人間の営みというモノは奥深い。今回はネーミングだけが不穏というの稀なケースであった。

ただし、何の変哲も無いサイダーをわざわざ好んで飲む習慣は私には無い。おそらく二度と飲むことは無いと思う。
 
posted by 非国民 at 04:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月22日

気分はカブトムシ以下


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今年も毒ペプシの季節がやってきた。

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君は

カブトムシ以下の気分

を想像出来るか?
 

 
posted by 非国民 at 21:23| Comment(12) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月27日

謎の信仰とその資金源

温泉そのものには魅力を感じないが、温泉に対する日本人の執念には興味があって、あれこれ調べているうちに「そういえばラジウム温泉とかラドン温泉とかいうのがあったなあ」と思い出した。

放射線の害が広く知られるようになった昨今、さすがにもう流行らないだろうと思いきや、意外なことに今でもあるようだ。

常識的に考えて、世の中に「身体に悪い放射線」と「身体に良い放射線」が存在するとは思えない。いくら温泉に由来するとはいえ、放射線は放射線なのだから身体に良い筈は無いと考えるのが妥当である。

ところが、ちょっと検索してみると「ラジウム温泉が健康に良いくらいだから、少々の放射線は平気だ」という、まことにもって本末転倒した議論が展開されていたりして目を疑う。私には理解し難い謎の信仰だ。

それどころか「微量の放射線は却って身体に良い」なんて主張すらあったりする。専門用語(?)で「放射線ホルミシス説」というのだそうだが、これがまた、いかにも怪しい。「説」そのものの怪しさはもちろんだが、それを主張しているサイトが、実に怪しい。

例えば「ラドン温泉は健康にいいの」という記事。「放射線と健康を考える会」という看板は、一見したところ学術団体ぽいが、<iips.co.jp>で検索すると、このページそのものが「国際広報企画」なる民間企業のサイトに置かれていることが分かる。どんな会社かと概要を見れば、クライアントには電力会社と原子力企業がずらりと並んでいる。実に分かりやすい怪しさだ。

あるいは「温泉から放射線」という記事。温泉宿の宣伝記事かと思えば、こちらは関西原子力懇談会のページ。会長は関西電力の副社長である。これまた分かりやすい怪しさだ。

もっと凄いのになると、「安全安心科学アカデミー」なんてのもあって、こちらは原子力発電、特にプルサーマルを推進するにあたって住民を安心させるための広報機関として設立されたことを隠してもいない。

日本で最も熱心に放射線ホルミシスを研究しているのは、おそらく電力中央研究所であろう。これは言うまでもなく電力会社による電力会社のための研究機関だ。

疑似科学の根絶が難しいとかいう話の以前に、電力会社がどれほど広汎に金をばら撒いているかを垣間見て、改めて驚く。それもこれも、全てコストとして電気料金に上乗せされているかと思えば、腹立ちもなお一層。

さらに調べると「ラドン開発事業団」だの「ホルミシス臨床研究会」だのといった団体まで出てきて、この辺になると、もはや怪しいどころか、ほとんど「トンデモ」の領域である。

ラドン温泉関係者には誠に気の毒であるが、残念ながら「放射線ホルミシス説」の主張には科学的なエビデンスが全く無い。まともな研究者が相手にしていないのも当然かと思われる。
posted by 非国民 at 21:20| Comment(8) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月07日

不思議の国の甘い誘惑

失業状態で引きこもっていると、ついつい隙が出来るというか、閾値が下がるというか、魔が差す瞬間が豊富に訪れる。

ガラガラスカスカのコンビニの棚で大量に売れ残っていて否が応でも眼に入る今日の物件は、サントリー社製「不思議の国のスパークリングチョコレート」。これほどまでに“あからさまな毒物”を前にして、普段の私ならしばしの黙考があるのだが、失業中の身はいとも簡単に手を伸ばしてしまう。無駄な金を使っている場合ではないというのに、人間の考えることは時々分からない。

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無色透明な液体の原材料は、果糖ぶどう糖液糖、香料、酸味料、カフェイン、テアニン。カカオが含まれていないことを「当然」と感じる己の病理を深く自覚する。飲む前からこんなに後悔しているというシチュエーションも久しぶりだ。

案外しっかりとチョコレートの香りを感じるから、文明というのは凄いなあと思う。凄いとは思うが、そこを褒めてどうするのだろうか。ちなみにチョコレート味と炭酸は、どこまでも調和しない。これは一言でいうと、要するにあれだな、ペプシチョコレートだ。

人は何故こういうモノを作って売ってしまうのだろうか

こんな駄文を書き散らしつつ、自分が社会の役に全く立っていないという失業者の境遇を哀しく受け止めるのであった。
posted by 非国民 at 02:59| Comment(6) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月22日

複合毒物の新境地

失業状態で引きこもっていると、あれこれ訳の分からないものが出て来る。

近所の、というほど近くもないが、時々立ち寄る酒屋でターキーとバランタインとアードベッグを買ったらオマケに付いて来たのがこれだ。入手したのは震災前。

サントリーの「ほろよいアイスティーサワー」。
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缶には試飲缶(非売品)と書かれている。オマケにくれた訳じゃなかったのね。

今まで飲まなかったのは、もちろんイヤな予感がしたからだ。ただの「缶入りレモンティー」でさえ美味しいと思ったことはないというのに、このブツは「レモンティー+炭酸+酒」だ。もはやオチは見えているではないか。

講釈はひとまずおいて、一口飲んでみる。さすが、サントリーほどの名門になると期待を裏切らない。予想通りの甘さが口に広がる。一瞬遅れて、例の人工的なレモンティー系香料が拡散し、さらに炭酸の奥からは得体の知れない刺激が襲う。そして、ごくごく微かな酒の味。二口目からは、もう酒の味を感じることもなく、ただひたすらに甘い。

まあ、これが酒でなかったら、ここまで文句を言うほどのブツじゃない。しかし、酒が不味いというのは、単に缶入り飲料が不味いというのと犯罪性の度合いが違うと思うのだ。コイツは許し難い。
posted by 非国民 at 02:51| Comment(8) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月01日

元旦にスイカを飲む

新年最初の記事がこんな話題になってしまうのも、筆者の無為な生き様を象徴しているようで、少々物悲しくはある。小人閑居して何とやら。

去年の夏に入手して以来ずっと放置されていた「スイカサイダー」
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半年以上も放置されていたのは、単に筆者が探求をサボっていたためであり、深い意味は無い。

製造元は一部で既に有名な佐賀県の友桝飲料。無色透明な炭酸飲料は当然のように無果汁である。

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器だけでもと正月気分を演出してみたが、何だか余計に虚しい。私は何をやっているのだろう。

味はごく普通のサイダー・・・かと一瞬油断させておいて、時間差で不愉快極まりない人工的な匂いが口腔を襲う。何だろう、この不快感は。

割と忠実にスイカの味が再現されているようには思えるのだが、どうにも納得がいかない。スイカの美味しさというのは、味や匂いよりも、もっぱらあの食感に大きく依存しているのかも知れない。正月早々もうちょっとマシなことを考えられないのかと自分でも思うが、食感を伴わないスイカの味が、かくも不愉快な印象をもたらしているのかと想像する。

杯を重ねるうちに甘さも鼻について来た。夏に飲めばまた気分も違うのだろうが、私はもう充分。口直しに辛口のアイラモルトでも頂くとしよう。


posted by 非国民 at 22:58| Comment(7) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月16日

生還記念微毒

何もこんなことを書くために戻って来たわけでは無いのだが、人生というのは何事も思い通りには行かないものである。

さて伊藤園といえば、その筋では不味い紅茶を創ることで有名であるが、今回の新作はどうだろうか。

伊藤園「TEAS' TEA NEW YORK ベルガモット&オレンジティー」
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何がニューヨークなのかさっぱり分からないが、とりあえず器に注いでみると、こんな感じ。teastea2.jpg

紅茶としては妙に色が薄いのが気に掛かる。見た目だけなら番茶で通りそうだ。

味は結構甘い。カロリーOFFを謳っているのだからこれは甘味料の味だろうか。そして柑橘系のさっぱり感もある。しかし肝心の紅茶の味が殆ど感じられないのはどうしたわけか。

裏の原材料記載を見ると、糖類(砂糖、果糖)、オレンジ果汁、紅茶、香料・・・。おかしいだろ順番が。表にはオレンジ果汁1%と書いてあるから、紅茶は1%以下、ということになる。なんじゃそりゃ。カフェイン50%OFFの記載もあるが、要するに紅茶が入っていないだけじゃないか。

そう思いながら再び口にすると、どうしても甘さが気になる。いったい私は何を飲んでいるのだろうか。

劇毒というほどの不味さは無いが、ただの紅茶をこのレベルにまで持って来る伊藤園、やはりさすがです。

非国民の取り上げるブツにしてはパンチに欠けるなあと御不満のあなた、そう、これはあなたにぴったりの初心者向け毒物なのかも知れません。
posted by 非国民 at 20:20| Comment(5) | TrackBack(0) | 毒物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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