2011年03月28日

神が出て来るとき

知り合いの電球屋さんとメールのやりとりをしていて、まあ最初は互いの無事の確認と近況報告だったのだが、そのうちにこんな話になった。
仕事柄海外とのやり取りが多いのですが、今回の地震へのお見舞いメールは宗教
色が濃くでました。
神について語られてしまうと、ただの見積回答も慎重に返信を考えこみました。
こんなに渾身込めてメールを返す事もなかなかありません。

大変ですなあ、あいつらは何かというとそれだから・・・と、その時は聞き流していたが、失業状態をいいことにネットを徘徊していたら、こんな記事に行き当たった。

Greg Palastのレポート「Tokyo Electric to Build US Nuclear Plants」

読んでいたら突然「神」が出て来た。いわく
嘘八百の「安全報告」を出したストーン&ウェブスター社、現在のショー・コンストラクション社原子力部門は、東京電力と提携してテキサスに原発を作る予定だ。神よ助けたまえ。

レポートの内容自体には同意しかねる部分もあるが、なるほどこういうタイミングで「神」が出て来るのかと、妙にそこだけは納得した。
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2009年11月16日

失言では済まされない小沢一郎の妄想

例によって少し古いニュースだが、あまりに酷いので取り上げる。

キリスト教は排他的」民主・小沢氏、仏教会会長に(読売新聞2009.11.10)
小沢さんいわく
キリスト教もイスラム教も排他的だ。排他的なキリスト教を背景とした文明は、欧米社会の行き詰まっている姿そのものだ。その点、仏教はあらゆるものを受け入れ、みんな仏になれるという度量の大きい宗教だ

言ってくれるじゃないの。

小沢さんの真意は分からないが、本気でそう思っているのだとしたら、度し難いとはこのことだ。それ以前に、どう思っていようが人前で言って良いことと悪いことがあるだろう。これではまるっきり森喜朗と同レベルの妄言である。かつて森さんが「神の国」と言った時には、私は神道の信者ではないので「本当に頭悪いなこの人は」と呆れただけだった。しかし今回は事情が違う。私は仏教徒なのだ。

こういう場合、仏教徒が率先して怒るべきだろうと思う。私は怒っている。まったく、少しは勉強してもらいたい。ついでに言えば、幼稚な思い込みによる小沢さんの誤りを正さない「全日本仏教会」とやらも、だらしない。
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2009年02月20日

宗教活動としての選挙

去年の暮れに公明党の謎に関する記事を書いた。いくつかの興味深いコメントを頂いたが、なかでも、はちふささんの残したコメントが非常に気になった。

いわく
選挙が終わって1週間もたたないうちに支持候補の方の名前をきれいさっぱり忘れていたのにはズッコケました。

そんなことが本当に有り得るんだろうか。

諸方面に探りを入れてみたところ、どうやら創価学会においては選挙運動そのものが組織の重要な活動と位置づけられているらしいのだ。選挙は、組織を引き締め結束を維持するために欠かせない「イベント」であり、たしかに創価学会においては他にそうした役割を果たすものは見当たらない。

日蓮正宗との決別によって、創価学会は大石寺という「聖地」を喪失した。だから学会員は「巡礼」が出来ない。学会独自のと言えるほどの宗教儀礼も発達していない。聖地への巡礼や儀礼への参加は、信者にとって、自らが一つの教団の一員であることを確認する極めて重要な行為であり、教団にとっては信者同士を結びつけるための装置である。「信仰を同じくする者」の紐帯を実感させるこうした装置の不在は、信仰の形骸化、ひいては教団の衰退にも繋がりかねない。

現実に、聖地なき宗教と化した創価学会では、信者が一同に集まる場所もなければ、その機会もない。かつては世界青年平和文化祭がその役割を補完していたようだが、いつの間にかそれも行われなくなった。

そんな中で、創価学会が全組織を挙げて取り組むほぼ唯一のイベントが、選挙なのだ。選挙運動に参加することによってのみ、一般の信者は組織のメンバーであるという一体感を得ているのかも知れない。だから、個々の候補者やその政策よりも、選挙運動に参加すること自体が意義を持っているという可能性も高い。それに、勝ち負けのはっきりしている選挙というイベントは、仏法を勝負で語る創価学会にとても似合っている。

しかしその様相は、議会制民主主義の想定する「政党とその支持者の関係」からは、極めて掛け離れたものに思えてならない。公明党の議員諸子は、それで良いのだろうか。
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2008年12月31日

公明党はどこへ行くのか

昔からこの政党が不思議だった。何のためにあるのか、何をしたいのか。私が物心ついた時には既に公明党という政党があったが、その存在理由は、私にとって常に謎だった。

この政党は要らないんじゃないかとはっきり思ったのは自民党と組んで与党となった時だ。

公明党が弱者の味方だというのは嘘ではないだろう。政策で言うなら、公明党は自民党よりも民主党にずっと近い。近いどころか、公明党の掲げる政策は民主党のそれとほとんど変わらない。にもかかわらず自民党とくっ着いているのは、党利党略のためでしかない。

創価学会というのは都市型の宗教で、大都市の下層階級、特に農村から都市の商工業へと流入してきた労働者を取り込むことで飛躍的に発展して来た歴史がある。日本の既成左翼が労働組合を中心として活動して来たのに対して、創価学会は労働組合にさえ無縁である最下層の労働者階級を取り込んで来たのだ。創価学会という組織が単なる宗教団体ではなく「互助会」的な性格を強く持っていたことが、それを可能にしたといえる。だからこそ公明党と共産党の敵対意識は根が深い。

創価学会は弱者の組織であると同時に庶民の組織でもある。共産党の指導部がなんだかんだ言って東大や京大出身のエリートであるのに対して、学会の庶民性は確かに際立っている。しかし気がつけば、公明党の代表である太田さんは京大、前代表の神崎さんは東大の出身だ。彼らのような高学歴エリートにとって、創価学会という組織は必ずしも居心地の良い場所ではないはずだ。その辺、当事者はどう思っているんだろう。公明党と創価学会が組織として明確に分離されたのが1970年だから、現在公明党に所属している議員のほとんどは、別組織となってから政治家としてキャリアをスタートさせている。公明党には公明党の思惑があってしかるべきだが、その辺が良く分からない。

いずれにせよ、現在でも公明党が強いのは東京と大阪だ。だから地方で(だけ)強い自民党と組むメリットは大きい。連立相手である自民党に対しても「恩」を売れる。

党利党略という計算だけで言えば、公明党が民主党と組むメリットは無い。どちらも東京や大阪を中心にした都市で強い政党だから、ターゲットがダブる。政策の面でもほとんど違いがないから、連立しても公明党の存在感をアピールする機会がない。選挙で「恩」が売れてしかも全く政策の違う自民党に対して、あれこれと注文をつけている方が、遥かに存在感を誇示出来る。

だが、存在感をアピールして、それが何になるのだろうか。創価学会の信者ではない私からすれば、ただただヤヤコシイという他無い。公明党は何のためにあるのだろうかと疑問に思う所以だ。

公明党が出来る前にも、もちろん創価学会員の国会議員はいた。彼らは「国立戒壇」という一点だけにおいて結束していたのでって、それ以外の政策に関しては、それぞれの思うところに従って活動していた、事実、それぞれの思うところに従って自民党や社会党や民社党に所属していたのだ。国立戒壇は馬鹿げていると私は思うが、それでも今のようなヤヤコシさは無い。池田大作の前の会長だった戸田城聖は一貫して学会が自前の政党を持つことに反対だったし、池田自身も公明党の結成を「間違いだった」と口にしたことがある。少なくとも、国立戒壇路線を放棄した時点で、創価学会が創価学会のための政党を持つ理由は失われたのではなかろうか。

公明党はどこへ行こうとしているのだろう。今ほどその存在理由が問われている時はないと思う。
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2008年10月02日

靖国神社の不思議な思惑

『現代宗教』という、いささかマニアックな雑誌がある。誰が読むんだろうと思いつつも、たまたま本屋で見かけた2006年号の特集が「慰霊と追悼」ということで、つい買ってしまう。

靖国神社前宮司・湯澤貞氏のインタビューが載っていて、なかなか興味深い。

湯澤氏、現在の合祀についていわく
・・・終戦のドサクサといいましょうかね、はっきりしなかったのが、今になって、戦死者とか、戦争が原因になって病気になったとか分かってきて、そういう方々を去年でも十何柱合祀しました。そうすると、合祀をする時にですね、今は厚生省の管轄ではなくなって━━要するに国会なんかでもうるさいもんですからね━━、神社の方で勝手にやっていい訳ですけどね、それでも、この人は祀るけどこの人は祀らないというのをいい加減にやるとめちゃくちゃになってしまうので、神社が勝手にやるとはいっても、厚生省でやったもとの合祀基準というのがありまして、この方は合祀しても問題ないかというのを慎重に調査するんですね。ですから、神社としては、もし何かの機会に国に神社を返すというようなことがあるかもしれないと、そういうことを前提に合祀をしているんですね。ですから、公のものが全て無くなったとは我々は考えていないんです。

ええと・・・つまり、いつの日か靖国神社が国のものに戻る可能性がある、と言ってるわけなんですが、

・・・それは、無いだろ!

これまで私は靖国神社に関して何度か書いてきたが、比較的好意的な態度を取って来たつもりだ。好意的が言い過ぎなら、寛容な立場と言っても良い。嬉々として靖国に参拝する首相を馬鹿だとは(何度も)書いたが、靖国信仰そのものを批判したことは無い。靖国神社のあり方や、その教義に文句を付けたことも無い。

「一宗教法人である靖国神社が、狐を祀ろうが狸を祀ろうが、当該法人の勝手である」
「靖国神社の主張はおかしいと、私自身は思う。思うけれども、それを言うのなら、おかしなことを主張する宗教団体は他にいくらでもある」
どちらも、以前私が書いたことである、その考えは今でも変わらない。

しかし、当の靖国神社が「一宗教法人」ではなく、国家との関わりにおいて何かしら別格の存在だと自負しているのだとすれば、その考えは改めた方が良いと思う。余計なお世話かも知れないが、靖国神社の今後の発展のためにも、改めた方が良いと思う。
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2008年01月04日

空疎な装置

既に去年のニュースになるが、靖国神社が半島出身者の合祀取りやめを断ったそうだ。
 靖国神社、取り下げを拒否=遺族らに回答−朝鮮BC級戦犯合祀
第2次世界大戦後にBC級戦犯として処罰された朝鮮半島出身者の遺族らが、靖国神社に合祀(ごうし)の取り下げを求めていた問題で、同神社が要請を拒否していたことが31日、分かった。遺族らによると、神社側は27日付で、書面で回答した。BC級戦犯で日本人名があった15人の合祀を確認したとし、「創建の趣旨と慣習に従っており、意に沿いがたい」と説明した。
(時事通信2007/12/31)

だいたいにおいて宗教というのは融通の利かないものではあるけれど、それにしてもねえ。
相手が嫌がってるんだから、外してあげればよさそうなものなのに。

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2007年01月07日

やっぱり安部さんも分かっていない

一年以上前の記事であるが、やっぱり小泉さんは分かっていないというエントリーで、私はこのように書いた。
歴代の総理は、半ば慣習のように正月には伊勢神宮に詣っているが、これも憲法の定める政教分離原則に抵触している可能性が高い。理由は、靖国神社の場合と全く同じである。「特定の宗教への助長、促進」と看做されるからだ。


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2006年06月20日

熱帯に一神教は似合わない

先日の記事「Omar Sosa【Sentir】」のコメント欄でpontyさんから教えてもらったページを入り口にして、カンドンブレのことを少し調べてみた。そして驚いた。
どうやら私は大きな勘違いをしていたようだ。

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2006年05月18日

分祀なんかしなくて良い。

先日はこんなことを書いたのだが、ちょっと調べてみると、古賀誠さんの例の分祀発言、靖国シンパの自称愛国者たちからもボロクソの叩かれようである。

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2006年05月16日

まったく、どいつもこいつも

この国の政治家は、靖国神社のことになると急に頭が悪くなるのか。
それとも、もともと悪いのか?
報道によれば、日本遺族会会長を務める自民党の古賀誠元幹事長は、9月の党総裁選に向けた丹羽・古賀派の政策提言で、靖国神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯について「分祀も検討の対象」との文言を盛り込むよう提案する、そうだ。

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posted by 非国民 at 03:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 宗教 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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